Yの事を少し、話そうと思う。 初めて会ったのは、2年前の7月、 初めてプライベートで会ったのは、去年の2月。 初めて二人で遊びに行ったのは、去年の3月。 まだ、ほの寒い時期だった。 小雨が降る海ほたるで、深夜、海を眺めながら話して。
それから、2回、デートした。 他の友人も交えて2回遊びに行った。
いつも、メールするのはワタシからだった。 電話するのも、ワタシからだった。
君の返信はいつも独特で。 其れがとても心地よかった。
最初で、最後の君からの呼び出し、 会社帰りのタクシー、 鳴るはず無いと思ってた、君だけの着信音。 手が震えた。 声が震えた。 指まで冷たくなった。 でもとても嬉しかったんだ。
桜木町に集合、23時過ぎ、 迎えに来てくれた君の元へ、ワタシは走って。 ふざけてカウントダウンする君の声を 近づくにつれ、だんだん大きくなるその声を あの瞬間、すごく幸せを感じた。
そこから浜へ移動して。 朝まで話していた、 梅雨があけ、そろそろ本格的な夏が来ようとしてた時期だった。
そして、去年の7月。 君が急な転勤で、遠くへ離れることになった、 信じられなかった、直ぐ傍にいると思ってた、 何処と無くワタシと同じ香りのする、 初めて見つけた、「同類」 同じだから、上手くいくはず無いと思ったけど 同じだから、言葉をあまり使わなくても言いたいことがわかった。
最後に、君にあったとき。 皮のブレスを渡したんだ。 もう直ぐ君の誕生日でもあったし、 何か形になるものを渡したかった。
ワタシも同じものを持っていて、 何かつながりを残したかったんだ。
ほな、行ってくるわ、と君は言い、 行ってらっしゃい、とワタシは答えた。
それから、メールだけの繋がりになり。 一回だけ、「オレのところにこないか」、そんなメールが来た。
何度も見返して、 冗談だと、思い込んでいた。
今にして思えば、あの時、 何も考えず行ってたら、何かかわっていたんだろうかと思う。
結局、冗談でしか返せず。 その年の暮れもせまった12月、 カノジョが出来た、という報告が入って、 それで私たちの仲は終わってしまった。
12月、ちょうどそのつきのYの写真が、どこからか発掘された。 自然に手首を見ていた。 Yの手首に、ブレスレットを探した。
無かった。
やっぱりな、と思いつつも、 ショックを受けたのは今でも覚えてる。
そして、今年の5月中ごろ。 Yは突然、会社から居なくなった。 誰にも告げず、ぷつりと友人との連絡も絶った。
丁度、その月の初め、私はYにメールをしていた。 時たま起こる、Yと私のシンクロ。
Yの精神状態はギリギリまで追い詰められてた。 なんでわかったん? そんな返事が返ってきて。 其れに対して、メールを返したけれど、 Yから返信が来ることはなかった。
そしてYは忽然と姿を消した。
解ってたけど、「カノジョが出来た」といわれた衝撃よりも もう連絡が取れなくなったことのほうがショックだったんだ。
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