社長〜。 - 2006年01月30日(月) ここへ引越して来て2ヶ月が経つ。 検討に検討を重ねて買ったマンションだったが、 誤算だったのは、住民の皆様が「おしゃれさん」ということ。 会う人、会う人、例えば、「僕は広告代理店に勤めてます」とか 「丸の内でOLやってます」とか「夫婦そろってデザイナーです」 みたいな方々ばかりで、 私のようにジャージの上からコートを羽織って、 すっぴん顔で買い物に行くラフなヤツなどいない。 そして、もう1つの誤算。 それはこの地域が「寒い」ということだ。 あんまり寒いので、今まで住んでた都心と「Yahoo天気」で比べて みたら、気温差は2度もあった。 そこで、年末に帰省した折、実家から「どてら」を持って帰ってきた。 綿のたっぷり入った、赤地に白い花束の、とび柄がかわいらしいヤツだ。 赤いどてらを身にまとった、雪ん子のような私に旦那が呆れ顔で言う。 「おまえね〜、ここはド田舎じゃないんだから。恥ずかしいだろ〜 だいたい、うちのマンションでそんなの着てるのおまえだけだぜ、絶対!」 「恥ずかしい」などと旦那が言うのももっともである。 だが、その数日後、旦那の口から意外な言葉が飛び出した。 「さ、寒い・・・どてらって暖かそうだね・・」 早速、実家から前に父が着ていた、地味なペイズリー柄の どてらを送ってもらった。 息の付く間もないほどのペイズリーで埋まっているどてらである。 それを着た旦那は、でかい体がよりたっぷりなって、 すっかりパイプの似合うおっさんになっている。 まるで、裸一貫で会社を興した建設会社の経営者みたいだ。 ここ最近、彼は我が家で「シャチョ〜〜!」と呼ばれている。 おしまい。 ... 駅。 - 2006年01月29日(日) うちの最寄駅は地味〜なローカル色満載の駅である。 大きな駅と駅の間に挟まれたチビっこである。 都心から家に帰るときには、手前の駅で「各駅停車」 に乗り換えが必要で、昨日もそうした。 「各駅停車」はいつもすいている。 土曜日の昨日も週末だというのに人はまばらで、私の車両で10人ぐらい。 ほんの少し前までのあの都会の喧騒がウソのようだ。 車窓から見えるのどかな風景は私をホッとさせてくれる。 でも・・だからといって・・ 駅に着き、降りようと最初の一歩を踏み出したその瞬間、 「ブッ!」と かなりの音と勢いで 屁をしてしまった自分を、 どうかと思う。 おしまい。 ... 正しい人。 - 2006年01月27日(金) 長らくバタバタしていて、日記をお休みしていたのだが、 どうにかこうにか、生活が形になってきたので、 ようやく再開の運びとなりました。 さて、ここに住んで2ヶ月が経とうとしている。 地域的な印象としては「正しい人ばかりだ」ということだ。 それまでいたところは、もっとアジアンチックな、 例えば、水割り作って30年、といったような顔に土気のない金髪のおばさんや、 今どき、シャコタン乗って10年といったような若者。 ファッション誌も見ないのか?と疑いたくなる、袖脇に アルファベットのロゴが入った上下のジャージを着る男性。 もちろん、外国人の方々も多数いた。 そう、「人種のるつぼ」てな感じであったのだ。 それに対して、ここは シャギー入りの明るく染めた肩までの髪をした、ダウンにジーンズといった、 「正しい主婦」。 ピッタリのロングブーツに白いボアつきのセミロングコートを着た「正しいOL」 グレーのウールコートの下に三つボタンのスーツ、靴はピカピカといった 「正しいサラリーマン」 もうリタイアしただろうな、と思われるシニアの方々も 地味めではあるが清潔そうで、前に住んでたあたりみたいに、 決して酒臭かったり、独り言を言ったり、ましてや家が無いふうな感じではない。 つまり、みんながそれぞれに「正しい」のである。 実は今日、ハローワークに行って来た。別の用事で近くに顔を出したので、 ついでに寄ったのであった。 せっかくだから、登録もしてみたのだが、登録用の書類に記入し、 カウンターまで持っていくと、対応してくれた職員は、いかにも公務員といった、 少しハゲた太い黒ぶちのメガネをかけた60ぐらいのおじさん。 彼は初め、黙って私の書類に目を通していたのだが、 しばらくするとピンと背筋を伸ばし直して、 向かいに座る私の名前を大声で言った。 それがあまりに気迫に迫るものであったため、思わず「ハ、ハイ!」 と返事をすると、ひと言、 「ここに生年月日をお書き願えますか」。 記入漏れであった。 それにしても、たかだか生年月・・・いや・・なんときっちりした対応であろう。 やはりこの地域、公務員も「正い人」だった。 おしまい。 ...
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