車窓を流れる景色を
鬱陶しく思いながら
僕は
僕の真ん中にある
想いに向き合って。
なかなか見つからない。
だけど、きっと、大切な音を
探していた。
何度も歌った。
もう、歌えないと
何度も泣いた。
憧れていたもの、全ては
ハリボテより脆く
夢見たもの、全ては
陽炎より儚い。
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今夜も僕は、いつも通りに。
ヒトリ、目を閉じて
雨が窓を叩く音を追う。
突然、聞きなれたはずの電子音が 響く。
鉄の扉の向こうから
雨に濡れた キミが
小さな鼻歌と一緒に。
「ハッピバースディトゥーユー」
そうだ。
今夜だけ
僕は生まれてきて良かったと
思うことにしようね。
プレゼントを車に置いてきた、と
慌てふためく 愛しい、愛しいキミのために。
ありがとう。
「愛らしい」
この言葉が似合うひとを
私は他に知らない。
今も これから先も
私にとって唯一の 愛らしいひと。
だけどソレは
君が、いつか一人きりになって
寒さに凍えつつ、見上げる星空の中に
隠しておこうね。
☆ ☆ ☆
☆
そんな日はきっと来ない
そんな日は きっと来ない
「願えば叶う」と、君は言った のに。
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