「・・・寒い、ね。」綿飴のような、吐息のむこうのきみに言った。「そうですね。」ちっとも寒くなさそうな、笑顔できみは言った。寂しい、モミジバフウの木を見上げたから。触れた唇が、まだあたたかいから。なんのために、なにをもとめてなんて、どうでもいい。僕は、きみが好きなのですよ。それだけ、伝われば、いいね。