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落ち着かない1日がやっと終わった。 スーツを着慣れていない様子の奴は ルノアールの深いソファに 膝を抱えるように座って 終始挙動不審で 其の姿がなんとも微笑ましかった。 両親も取り敢えずは笑顔で話していたし それなりに会話も盛り上がったのではないかしら。 私はと言えば 兎に角恥ずかしいのと緊張している奴が心配で 生きた心地がしなかった。 結局、先日の無断外泊は赦してもらい お付き合いも認めてもらったのだけど 今後の外泊は許可して貰えなかった。 で、帰り道に奴と猛反省。 どうすれば許して貰えるのかしら。 難しい。 でも今度は奴も胃潰瘍を治して 又みんなでお食事しましょう。 という事になった。 取り敢えず一件落着。
帰り道、奴とお買い物に行った。 私がTシャツよりも普通のシャツが好きだと言ったら 「じゃあ似合いそうなの選んで。」 って言われた。 何だか本物の恋人同士みたいだ。 否、本物の恋人同士の筈なのだけど。 そんな実感が無かったから。 ボーナスが出たらしい奴は シャツ数点とサンダルを買っていた。 そして当たり前の様に 「何か買ってあげる。」 と言い出した。 心臓飛び出るかと思った。 買ってあげる?? 買ってくれるの?? 私の脳では解読不能。 だってそんなのして貰った事無い。 誕生日とクリスマス以外のプレゼントなんて貰った事無い。 びっくり。 そして何とも言い表せない感情。 嬉しい。 嬉しい。 本当に嬉しい。 素直に其の好意に甘えて キャミソールを買って貰った。 うわー嬉しい。 何度も何度もお礼を言って。 見慣れないスーツ姿の奴を見送った。
「彼、本当に貴女の事気に入ってるみたいね。」 家に帰ると母が言った。 またまた心臓飛び出すかと思った。 奴の様子を見ていると 其れが伝わってくるのだとか。 全然そんな風に感じていなかったから。 驚いた。 本人は気付かなくても 第3者には解るらしい。 すごい。 すごい。 其れってすごいと思う。 私は疑ってばかりだから。 肝心な事に気付けないのだきっと。 疑う必要なんて無いのだ。 私が信じなければ相手も諦めて去ってしまう。 なんだ。 こんな単純な事。 現在迄忘れていた。
何だか私。 すごい幸せ感じてる。
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2005年06月27日(月)
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