結 - 2004年12月28日(火) もう何年も、誰かと音楽をやることでしか手に入れられないと思ってきたものがある。 簡単に手に入るものでないことはわかっていたけれど、ここに来るまでずっと手に入らなくて、期待しては失望することを繰り返すそのたびに、音楽が信じられなくなっていった。 だから、これを最後にして信じてみようとほんの少し思ったあの瞬間のことは、今でも忘れていない。それ以来すべてを賭けてきたから、「ここにいること」への自信を失くしたことは、一度もない。 そして、わたしは確かに、欲しかったものを手にしている。 わたしの欲しいものが手に入らない場所でなら、音楽をやりたいとは思わない。だから一人で音楽をやりたいとは思わない。もしもこれから二度と音楽ができなくても、一片の悔いもない。 音楽をやっているから出会ったのではない。これは、本当に、稀にみる幸せな出会いなのだ。それに気づけたら、世界が変わる。そして、何よりも、自分が変わる。 - Not One Night - 2004年12月20日(月) 言い忘れていたのだけれど、あのひとがあのときどうしてあんなに怒ったのか、わたしがあのひとの何を傷つけたのか、やっと、感覚として理解できました。 同時に、心から、申し訳なかったと、反省しました。 あれは…あんなこと言われたら、傷ついて当たり前ですね。 わたしの言う「忘れる」について考え込んでしまったというあのひともじゅうぶん理屈っぽいけれど、その結果として、「きみの文脈に沿って考えれば、俺は確かに忘れるのかもしれないね」という結論を出してくるあたりは、わたしの好きなところでもあり、嫌いなところでもあります。 でもそういうやりかたから抜けられないこともわかっているし、お互いさまだし、それに本当のことはお互いわかっているから。それでいいけど。 「まあそんな恋もあるだろ。」 ―これは恋なの? 「恋じゃないの?」 ―恋だったの?知らなかったよ。 そうか恋だったのか…じゃあもっと楽しめばよかったよ。 「なんだそりゃ。」 ―だって、ただ単純に楽しい時期とか、そういうのなかったもん。 気がついたらあほみたいに時間経ってて、 しかもその間に大人になってしまったし。 「そうだな、お互い、いつの間にか大人になっちゃったな。 昔のようにはいかない。」 ―良くも悪くもね。 「うん。」 これ以外の自分も確かに在ったし、それが嘘だったとは決して思いません。でも、今たしかなことは、やはり、たったひとつなのです。 - 魔法の手。ちっとも苦しくない - 2004年12月19日(日) この気持ちを共有してくれるのは、わたしの周りにはあなた一人だということはわかってたよ。 「人生に絶望を感じる瞬間だよね」、本当に、言ってる本人たちにとってはちっとも大袈裟じゃないんだよね。 わかってくれなくてもいい、せめて頑張ってねと言ってもらえたら、それだけでいいのに、そんな小さな希望すら打ち砕かれたときの気持ち。苦しいよね。 (そんな相手と人生を一緒に過ごしていくことは、たとえどんなに頼まれたって、あなたには無理な相談だよ。自分でわかってるはずだよね。) あなたはあなたのやり方で、わたしはわたしのやり方で、互いを忘れなければそれでいい。 本当はそれだけのことのはずなのに、どうして不安に思ったりするんだろう。 会いたいときに会えないのが心底つらいということと、そのつらさは何ものによっても埋められないことを知っているのに、何かで埋めようとしてしまう弱い自分たちを知っているから、なのかなあ。 たまには嫉妬もするだろうし、現実的な意味でまったく気にならないと言ったら嘘になるだろう。 でも、本当におもっているなら、本当のところでは気にしないはずなんだけどね。 わたしじゃなくても、誰でも。 この間柄にまったくの冗談は存在しないって思っていて、あなたもそれを知っているはずだから、欠片を見せられると信じてしまうんだよね。 間違わない自信はあるけれど、信じてしまうから、脆さはないけれど危うさがあるんだよ。この危うさが、なかなかなくならない。少なくとももうしばらくは、抱えていくしかないんだろうね。いや、それが意外に苦しくないんだ… どこかの誰かさんふうに言えば、そんなに頭がいいのに、どうしてこんな簡単なことが見えないのか、って言い方になるけれど。 でもこれは、もう本当の最初のところから自分で気が付かないと意味がないから、その誰かさんみたいに本人に告げるようなことは、わたしはしないよ。 言われてどう思うかも、自分がよく知ってるしね。 それに、あなたに必要なのはそんな言葉じゃないから。 まったく信じがたい話だろうけど、これでもあなたに対してはずいぶん素直に言えてるほうなんだから、笑っちゃうよ。性質の悪い話だよね、ほんと。でも、「かわいくない自分」に嫌気が差すことが少ないのは、あなたの切り返しに救われているからなんだよね。うーん。これは、言えないなあ。笑。 - 天邪鬼だから、 - 2004年12月17日(金) 卒業できなくてもいい、と思えてくる。 今の大学、というよりは今の学部に入ったこと、進路を転換したことから、母親とはあまりうまくいっていないと言っていい。 この大学に入ったから何とか許されたようなものだと思う。 仲が悪いとか話もしたくないというわけではないが、このひとは結局わたしのことを理解してくれてはいないんだな、と思うことが多い。 それでも親だから、理解してほしいし、それがだめならせめて口うるさくしないでほしいが、それは無理な相談らしい。 親になって初めて親の気持ちがわかると言うから、たぶんわたしには彼女の気持ちはわかっていないのだろうし、親になったら、今こう思っていることを悔いるのかもしれない。けれど、少なくとも今はやはり、彼女が思っているほどには、わたしは彼女のことが好きではない。 親だから、大事なことには違いないが、好きではない。 他所の家の子が、高校からは学校にも行かず、それでも今は手に職をつけて、立派に自活して生きていっていることを「すごい」と彼女は言うが、もしもわたしがそうしたとして、彼女がそれをすんなり受け入れたとは、到底思えない。 わたしが、もしかしたら二年で卒業できないかもしれないと口にした、たったそれだけで、理由も訊かずに鋭く非難した彼女に、いろいろ迷っていることも、休学したいと相談することもさせてもらえなかった彼女に、「就職して身体を壊すほど働かなくてもいい、いつでも帰ってきなさい」と言われても、 やはりあそこには、絶対に、帰りたくない。 卒業できなかったら何が困るのか? 世間に顔向けできないからだそうだ。 親だから、大事なことには違いない。 でも、サークルに入ったからまともに生きてきたようなものなのに、それを早く辞めろとか、きちんと卒業できなかったらわたしが困るのよとか言われるのは、やはり傷つくのだ。それも、予想以上に。 - 何から話そう - 2004年12月05日(日) あのね。 わたしは、なんでもいいからあなたと一緒にいたいと思っているわけじゃない。 そんなふうには思ってない。 でも、どんな状態でもいいから一緒にいたいって言いかけてしまうのは、なんでもいいから一緒にいたいわけじゃないと思うくらい、あなたのことを想っているから。 昨日あのあと、やっぱり眠れなくて、いろんなことが行ったり来たりしてね。 思い出したことがあったんだ。 あなたの結婚の話がどんどん進んでいってるとき、その話をするたびに、あなたは「誰かが俺のことさらってくれたらいいのに」って言ってたでしょう。 それでわたしはそういうときいつも、「わたしがいるじゃん」って言ってたよね。 それに、「わたしはいつでも待ってるよ」とも言ったよね。そういうの全部、やっぱり本当の気持ちだなって、もう一回、思った。 それで、前にあなたは自分で、「本当はあのとき、誰からも離れてひとりになろうって決めたのに、結果的にそうできなかった」って言ってたよね。 その決めたこと、それだけが、たったひとつの、あなたにとって正しいことだよ。そして、あなたはそれを自分できちんとわかってる。 昨日もおとといも、「誰かがそばにいてくれたら頑張れるのに」とか「もう折れそう」とか言ってたけど、それは嘘だし、わたしはそんなあなたが好きなんじゃない。 だから、わたしはあなたと一緒にいたいけど、一緒にいたくない。 間違ってるもん。 それに、だから昨日、あなたも、そうしたいって言い切れなかったんだよ。 「一緒にいたらいいことあるかなって思って」って、やっぱり、おかしいもん。 あなたが、自分で決めたことをきちんと実行するのに助けになれるんだったら、わたしはどんなに都合よく扱われてもいい、自分は大丈夫って、本当にはっきり思ったんだ。 どれだけかかっても、いつでも、頑張れって思って、かならず見てる。見てるよ。 昨日、あなたがわたしのことを「最後の砦」だって言ったから、それが本当なら、これを言えるのは今はわたしだけなのかなって。 わたしにしかできないことなのかなって。 自惚れてるかなとも思ったけど、そんなふうに思ってさ。 そうしたらいろんなこと思い出して。それもけっこう鮮やかでさ。 悪くなかったよ、あの感じ。うん、悪くなかった。 うん。 がんばって。 大好きだよ。 - だから似た者どうしなんだよ - 2004年12月04日(土) 確かにそれがいちばんまっとうな結論かもしれない。 わたしだってそれならもうとっくに考えた。 でもそうすると、 言えなくなることが、もっと増える。 言ってしまえば、嘘になるかもしれない。 言ってしまえば、それが本当になってしまうかもしれない。 どちらも嫌だ。 そして、 もしそれを選ぶことが正しいのなら、 わたしは今度こそ忘れようと考えるだろうし そしてきっと 忘れられない。このままだったら。 わたしはそんなふうに欲しいんじゃない。 でもそれでもいいと言いかけてしまうのは そんなふうに欲しいんじゃないくらい おもっているからで それはあなたもわかっていること。 お互い真面目すぎるんだよ。変なところで。 そしてふたりともAとBしか持ってない。ふたつだけ。 Cはきっと出てこない、 存在は知っていても、 そして実は手にしていても、 出せないんだ。 あのときそのタイミングで あなたが欲しかった言葉を言ったとしたら 何か変わったんだろうかって そんなことだけは思いたくないのに。 いつもひとつも間違えていないってわかっているのに。 そしてお互い 逃げ場はもう、どこにもないのに。 - blind - 2004年12月03日(金) もう、ずっと。 正反対のことが、どちらも真実に思えて、わけがわからない。 わたしから話を聞いた誰もが、 わたしが確信している唯一のことを本当だと信じてくれるのに、 いちばん信じてほしい人だけが、 その気持ちをかけらほども信じない。 もちろんそれには理由もあって、 わたしはわけがわからなくなっていて 言ってることとやってることが違ってしまうからで、 確かにそれはわたしが悪い。 このまま もう 力をもった言葉は出せないのじゃないかと思って もしもあの日言ったことが最後になるのだとしたら それは相手に対してあまりにも無責任すぎると思うけれど 思うだけで今はなにもできなくて なにも言えず それでも尋ねてくる相手に活路を見出したくても いつもその相手からこころを一突きにされて あとはなにも言えなくなる。 時間がない。 どうすればいいんだろう -
|
|