映画「半落ち」を見て考えたこと |
日曜日の午後、だんな様に誘われて『半落ち』を観に行きました。 だんな様の知り合いが何人も、この映画を観てとっても感動した すごく泣いたって言うから 観てみようってことで、行ったの。
私は『半落ち』って言う言葉の意味を知らなかったのだけれど 犯罪者が事件の内容を全部自白することを『完落ち』って言うらしいの。 だから『半落ち』って言う意味は、全部は供述していないってことかな。
ストーリーをネタバレしない程度に簡単に説明します。
優秀な警察官(警部補)である主人公が アルツハイマーの妻を絞殺して、警察に出頭します。 犯行を犯してから出頭するまでに二日間の空白があって その空白の時間について、主人公は一切口にしません。 主人公に関わった人々が、空白のその時間を埋めるために奔走しながら 主人公と彼ら自身の抱えているものが浮き彫りになっていきます。
映画・・・いい映画でした。 とりわけ樹木希林さんの胸に迫る演技や 原田三枝子さんの哀しみ、寺尾聡さんの眼差し 裁判官役の俳優さんとその奥さんの描く夫婦の絆 感動でした。
でも、この映画を観て私は・・なんて表現したらいいんだろう? 私が・・・いい言葉が思いつかない。
隣で観ていただんな様は、映画の中盤から涙が止まらない様子で 私は映画の世界に入りながらも だんな様が声を押し殺し、肩をふるわせて泣いていたのが分かりました。 彼は映画が終わっても、尚、涙が止まらなくて
私が
「いい映画でいいお話だったけれど、私よく分からなかった。 難しくて、自分の中でこなせないよ」
って言ったら
「こんな映画観るんじゃなかった。 こんな映画だって知ってたら観なかったよ。 残酷すぎるよ。」
って答えました。
「こんな映画、『アルツハイマー症』の患者を家族に抱える人が見たら 死にそうなぐらい辛いと思うよ。 内容が分かっていたら、観なかったよ。 こんなの、もし叔母さんが見たら・・・」
実は、だんな様の遠縁の叔父が2年ほど前 定年退職間際に『アルツハイマー症』を患っていることが分かったの。 遠縁って言っても、主人のことをとても可愛がってくれていて 主人にとっては大切な人で・・・ 質実剛健を絵に描いたような、情の深い叔父を主人は尊敬していて いろんな相談事は、自分の父ではなくて叔父にするぐらいだったの。
「でも、叔父さんはまだシャキっとしてるよ。 私がこの間電話したときも元気そうに 『さくらさん元気ね?』って聞いてくれたよ。 それに、今は、いい薬だって出てるはず。 研究者の人たちが、もっといい薬を開発してるはずよ。」
慰めるつもりで、そう言ったら
「さくらに僕の気持ちは分からないよ。 叔父さんは毎月2回僕のところ(職場)に来て おじさんが少しずつ悪くなっていくのを 前みたいじゃないのを、この目でその度に見るんだよ。 今はまだ一人で来れる。でもそのうち・・・」
そう答えてまた泣いて
私は
「でも、いい薬が出て・・きっと・・・」
としか答えることができませんでした。(続く)
2004年02月15日(日) |
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