lucky seventh
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2006年09月15日(金)

きっと、世界が二人だけのものだったなら
君と私は生きていけた。
けれど、世界は誰のものでもないから
君と私は生きていけなかったんだ。















2006年09月13日(水) 光年の孤独

「なんで?なんでそんな嘘をつくんだ?」

「嘘?嘘なんかじゃないさ。
 この腕がアイツを殺してしまったんだ。」















抱きしめたこの腕があいつを殺した。
一人ぼっちだった 少年の心を溶かして
一人ぼっちで生きてる少年の孤独を 耐えられないものにした。
だからアイツは死んだ。
死んでしまいたかったから死んだんだ。


2006年09月08日(金) ヘブンズ・オンリー (ハチクロ模造主)

僕らは、その時になって彼女が始めて笑ったことに気が付いた。

けれど、それは見たいと思っていた笑みとは違う

とても哀しげなものだった。



「ごめんなさい。」

ただ、一言だけそう言って
彼女は自ら落ちていった。

ドサ

何か、思いものが落ちる音がした時、
僕らは 取り返しつかないことをしてしまったとやっと理解できた。




僕らはきっと、彼女のことを何も知らなかった。

知っていたつもりで、何も知らなかったんだ。















病院、そこで彼女はあの日から眠り続けている。
幸い命に別状はなかったけど、あの日から彼女は目を覚まさなかった。
心意的なものだろう。
彼女を見た医師は哀しそうにそういった。
明日、目覚めるかもしれない。
十年後、目覚めるかもしれない。
それは誰にも分からない…、と。


言葉をなくす僕らに、医師は言った。
彼女の弟がここにいるんだけど、会ってみないか。と、














「はじめまして」

そう言って、微笑んだ少年に
僕達はおぼろげながら、確かに彼女の面影を垣間見た。

「姉がいつもお世話になっています。」

けれど、
半身を起こし礼儀正しく頭を下げる少年のいる場所はベットの上で、
その格好は、今いるところに相応しい 病院服だった。




「姉は、いつも1人でした。」

ベットの上で失礼します。
そう、一言丁寧に断りを入れて、
少年はすぐに彼女のことを話し出した。
聞けば彼女を診察した医師は少年の担当だそうだ。
すぐに聞きたいことを察して、少年は困ったように笑い、
それでも言葉を選ぶように真剣に僕らに話してくれた。
それは、僕らの知らない彼女のことだった。

「父も母も僕が物心つく頃にはもう、
 姉のことなんてちっとも気にかけていませんでした。
 それに比べて、僕に対してはまだほんの少しでしょうが、
 目をかけてはいてくれました。」

困った親なんです。
少年はあきらめたように自分手に視線をおとした。

「だからでしょう。姉はそれをよく知っていました。」

俯いて、一息ついて
落としていて視線を力強く上げ、
何もない、目の前の壁を真っ直ぐに見た。

「圧倒的な孤独、それが始めて姉が評価された時に
 その絵に対して言われた言葉でした。

 そして、それが 出口のない姉の心の
 唯一のはけ口だったのでしょう。」

ベットに置かれた手が、シーツを握りしめていた。
僕らは、その次の瞬間
その言葉を聞いて、あの日、あの時、
初めて見せた彼女の微笑みを思い出した。


「姉は、いつも寂しかったんだと思います。」




それは危うい均衡の上に成り立つ才能だったのだと少年は言った。
人よりほんの少し絵が上手いだけで、そして寂しかったから
それを絵にぶつけて、たまたま評価されただけで
彼女にとってそれだけのことで、こんなにも世界が変わったのだと少年は言った。
だから、彼女は孤独であり続けなくてはならなかった。
彼女の作品が孤独であればあるほど、世間は彼女を評価するから…



「でも、姉は本当はそんなんじゃなくて
 人が笑ってたり、誰かが幸せそうな そんな世界が好きだったんです。」

あんな絵を描いていて、信じらないでしょ?
そう言い、悪戯に失敗したように少年は笑った。

「腕を組んで歩く恋人たち、たまの休日にでかける家族連れの休日
 なんでもない日の、だけどそれでも毎日違う夕空に
 目に痛いほど眩しい、夏場の朝焼け…

 たまに嫌になるけど、それでも世界はこんなにも素晴らしい。

 それが姉の口癖でした。」

ただ、僕ら息をのむことしかできなかった。

「姉は多くを語りませんでした。
 いいえ、むしろその術を知らなかったと言った方が
 正しいのかもしれません。」

だから、人付き合いが下手で
いつも相手に勘違いばかりさせていたんです。
迷惑かけてませんでしたか?

少年は今度はちゃんと悪戯っぽく笑って、
そう言って僕らの方に笑いかけてきた。
よほど酷い顔をしていたんだろう。
明らかに気遣わなくていけないのは僕らの方なのに
逆に少年のほうに僕らは気遣われてしまった。

そして、それに対して曖昧に笑う僕らは
その次の言葉を聞いて 今度こそ本当に取り繕うこともできなほど
動揺した。



「それでも姉は、皆さんのことが好きだったんでしょうね。
 ことあるごろとに皆さんのことを話してくれて、
 珍しく、同じ名前の人が何人もでてくるものだから、
 僕、実は皆さんの名前覚えてしまったんですよ。」

その後、自分が何を言ったか 何をしたか
気が付けば、何時の間にか家に帰っていた。


2006年09月06日(水)

吾が神よ…

吾が神よ…


どうか、どうか…


















吾が神

その魂は呼んだ。

吾が神

たった一人の、唯一の神のためにその魂はあった。



ナナナ

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