緑の芝の上はしるはしる古い木の家じぃちゃんの膝の上熱燗の香り新聞を捲る音晴れた日の夕方みかんの皮を剥くじぃちゃんの指膝の上のまどろみ鼻をつく香り飛び散る橙の飛沫僕は飛び上がって芝の上に逃げたしたら、じぃさん面白がってどんどんどんどんみかん剥く子どもみたいにさ甘酸っぱい匂いを滲み込ませたその指でその掌で僕を捕まえようと追ってきたはしるはしる緑の芝の上じぃちゃんと鬼ごっこ