青春の思ひで。
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2006年02月28日(火) |
何回でも生まれかわれる |
結局、何より大切だったのはあのひとたちだった。 それこそ自分の命よりも。
朦朧としている中、真っ先に心配したのはあのひとたちのことだった。 自分の所為で、お咎めが下るのではないかということが、一番心配だった。
そして、あのひとたちは「そんなことは気にするな」と言う。
もしかすると、恋人一人よりもあのひとたちが束になるとそちらの方が大切なのかもしれないなぁ、と思ってしまったりする。
あのひとたちが大切だ。 あたしが東京で得たかけがえのないものだ。 この期に及んで、あの男も含めて。 あのひとたちがいてくれたことがうれしくてうれしくて仕方がない。
この命は両親にもらった命だ。 だけど、今この命があるのはあのひとたちのおかげだ。
もう二度と。もう二度と。
あなたは特にこの日記を読んではいないでしょうが。
あえて何も書き留めなかった秋から冬にかけてもいろいろありました。
そして、もう春がそこにきています。
毎年のように、あたしの記憶を刺激するのは春の生ぬるい温度と風と匂いです。 今日、あなたの日記を少し読み返しました。 前にも言ったことがあるけれど、やっぱり「同じだ」と思ってしまうのは、あなたには失礼かもしれませんね。
春にあの男と抱き合って。 夏にあの男と殴り合って。 秋にあの男と泣き合って。
不思議ですね。事実を書いているだけだけれど、「抱き合って」「殴り合って」「泣き合って」と書けば、なんだかあの男とふたりで一緒にひとつのことをしたみたいな気分になります。 現実には、行為と行為はばらばらでぶつけ合っているけれど、かみ合ってはないのだけれど。
春のことが忘れられないまま、夏になり、夏のことが忘れないまま、秋になりました。 秋のことが忘れないまま、今があります。 一体、季節がどこに留まっているのかもうわかりません。
でも、すでに春になったのだと思います。
あの男に泣かれた日から、何かを失ったような気分でずっと生きています。
何を失ったのかはよくわかりません。 あの日から、あの男には会わないようにしています。意識して避けています。 でも、あの男を失ったわけじゃないと思うのです。 だって、もともと手に入れてなかったから。
あの男の愛するあたしの恋人は、何も聞きませんでした。 あの日、朝の4時に電話をかけて、警察に送られてきた、と告げても、「何があったの?」とは聞きませんでした。 ただ相変わらず優しくて弱いひとです。 ここ数日の暖かな空気を感じるたびに、春の記憶に恐怖して、動けなくなって、泣き出すあたしに、「どうして泣くの?」とは聞いてくるのですが、もうすでにあたしはその理由を言えなくなっています。 あの男の名前を口にしようとすると、口腔の裏側が熱く重たくしびれたようになって言葉が出ません。 口にするくらいならいっそ今すぐ死んだ方がマシだとさえ感じます。
おにいちゃんは、全部優しく受け止めてくれます。 おにいちゃんと付き合っていた時期もあの男とは少しだけもつれたので、おにいちゃんにも言いづらかったけれど、でもまだおにいちゃんになら言えました。 おにいちゃんは相変わらず優しいです。 もう恋人じゃないけれど。
そうやって優しいひとたちに囲まれて生きているのに、淋しいだとか、つらいだとか感じるのは何故なんでしょう。
何が足りてないのでしょう。 真剣に答えると「我慢」かな(苦笑)。
今日はこれからお酒を呑みに行きたいと思います。 いつものバーで、何を呑もうかな。 あの男に教えられたバーボンか、ラムか。 それともあなたの好きなウォッカかな。 久しくズブロッカを呑んでいないので、それがいいかもしれません。 えぇ、結局ズブロッカでは消えないことがわかっていてもそうする自虐です。
隣にあなたがいたら、いいのに、と思いながら。 いつか、誘いたいな。
また、あなたの妄想の呟きが聞けることを願っています。 あなたの妄想を感じるたびに、こちらも妄想があふれ出して大変なのですけれど。 春だ、春だと連呼していますが、まだ寒いのでくれぐれもおからだにはご自愛ください。 あたしが言うのもなんですけれど、無茶はしないように。
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