くまま 読みの日記
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初めて演舞。 よさこいのウルサイ音楽で、ほとんどマイクの音も聞こえなくて、出足が遅れたり、何するのか分からなくなってたり、ちょっと心配な空神だったけど、おじいちゃんおばあちゃん、舞桜たちも見てくれて、頑張ったね!
その後おばあちゃんちに行ったら、おじいちゃんおばあちゃんには、「がんばったね」と誉められ、マーチンには「すっごくカッコよかった」と言ってもらい、ほんとによかったね。 頑張ってえらかったね。
炎の板割りができるようになりたいと言っていた空神。 できるように頑張れ〜〜〜っ
恵神は、帰りはおじいちゃんおばあちゃんにチュっも出来て、おりこうでした。
昨日、掃除に行ってあげられなかった。 日曜に、恵神が生まれる夏以来、初めて部屋ごと水洗いした。 暖かい日が続いていたので、ホットカーペットの電源を、とうとう抜いた。
でも、月曜から、寒かった。 とはいえ、0度を下回るような寒さではないし、気にしつつも、ホットカーペットの電源は入れずにいた。
月曜は、棚の下から姫子が出てきた。 電源を抜いたとはいえ、コンクリートより、箱の中のほうが、暖かいでしょうに、と、笑って話した。
恵神が入り口で姫子を撫でてやると、姫子がよろついた。 嫌な感じがした。
誉(しゅう)が死んだ時・・・やっぱり、撫ぜたら、グラっと体がよろついた。
日曜に、水洗いした部屋に入り込むなり、恵神は床にしゃがみこんで姫子とユンをかまってやっていた。 恵神は猫たちがほんとに好き。 姫子もよく撫ぜてやってくれた。
昨日いかれなかったこと、夜、朝が寒かったことが怖いと思いつつ入った部屋の箱には、姫子がいなかった。 泣き声も、出てくる様子もない。 分かっていたから、棚の下を見るのが、本当に嫌だった。 ごめんね。 食べられなくなっていたから、保温は絶対に必要だったよね・・・・・・・
薄目を開いて、まるで、いつもものぐさして箱から出ないでこちらを見てる姫子、そのままだった。 つぶれた感じもなくて、ほんとに・・・ほんとに、もう動いてくれないなんて、思えない・・・
久々に抱いた姫子は、軽かった。 少し前まで、あんなに丸々してたのに。 ここ1月半ほど、食べなくなってしまった。
マグロを煮てやったらよく食べたので、持ち直してくれると信じてた。 この朝も、煮たマグロを手に、姫子に会いに行ったのに・・・
夜、恵神が寝ている間に、空神にビデオを観ててもらって、パパとお墓を造りに行った。 パパも、家からより近い場所にと、思ってくれていた。
結婚する前、勤めて初めてもらったフルボーナスで、パパにプレゼントした姫子だった。 おっきな目で、よく返事して、1番、パパと私の心を占めていた姫子。
ほんとに、あんまりにもいつものままの可愛い姫子のままで、土に埋めてしまうなんて、信じられなかった。
涙が止まらないまま部屋に帰って、ビデオを観ていた空神の横に座って、 「お墓つくってきたよ」と言うと、空神が、そっと寄り添って、 「元気だしてね」と言ってくれた。
・・・すごくすごくビックリした。 こんなに、なぐさめてくれる言葉があるんだね。
子供のとき、夜中、節ちゃんが1人でソファーでボロボロ泣いていた。 おばあちゃんの旦那が戦争で死んじゃって、その弟のおじいちゃんがおばあちゃんと結婚して、節ちゃんが生まれた。 だから、おじさんとおばさんとは、お父さんが違うんだって。 おばあちゃんが死んじゃった後だったのかなあ・・・ 一人ぼっちになっちゃったって、話した。
私は、すっごく困った。 どんな返事や、なぐさめを期待されてるのか。
どうして、私にそんな話をするのか。 私みたいな子供に。 いつもエバって、子供らしくしたことなんかないくせに、 「子供なのに」どうして私に、そんな重たい話をするのか・・・
きっと何も言わなかったような気がする。 だって、このときのことは、未だに、「なんでまだ子供の私に、そんな重たい話をしたのか」、何て言ってほしかったのか、時々、思い出して、重たい気持ちになる出来事だから。
35歳までなやんだ母の出来なかったことを、空神は、簡単に、自然に、してくれた。
「元気だしてね」 それだけで良かったんだね。 それに、多分、どんな返事も期待はされてなかったんだ。 聞いてほしかっただけだったんじゃないかな。 知っていてほしかっただけなんじゃないかな。
空神が2歳くらいの時、いつもあんまり空神をかまわないパパを、ちゃんと好きでいるように、ときどき「パパがいなくて寂しい」と言った。 空神にもそう思っていてほしくて言っていたのに、空神は、そういう母を案じて、 「空神がいるから、寂しくないよ」と、いつも言ってくれていた。
「私達がいるから、寂しくないよ」 あのとき節ちゃんにそういえるほど、私は純じゃなかったし、素直でもなかったね。 でも、そういう気持ちを伝えたかった思いが、いつもあった気がする。 だけど、 「元気だしてね」 それくらい、言えても良かったよね。 ごめんね、節ちゃん。
ありがとう、空神。
さよなら、姫ちゃん。
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