青春の思ひで。
DiaryINDEX|past|will
前略プロフィール
|ゲストブック
|永久少女天然色夢絵巻
|kitchen & closet
|MAIL
強がって、おとなになろうとすることが、贖罪だ。
そんな言い訳で、細く繋がっている糸を断ち切らないようにしている。
今年も夏が来た。 去年の夏は、春の続きだった。 今年のあたしには、春なんてなかった。
あいつに殺されかけた山と海の田舎に、今年も行く日が近付いてきた。
「行かないでしょ?」と後輩は言う。 「一緒に行く?」なんて冗談めかして答える。
正直になると、行きたくて、現実を見ると、行く暇がない、というのが現状。 あそこに行きたいのは、別にあいつがいるからじゃない。 むしろ、あの場所であいつはイレギュラーなのだから、今年はいないことを願っている。
あの場所で、あいつがいて、理性を保ちきる自信はない。 だから、後輩はそういう部分も言外に含めて「行かないよね?」と言う。 あたしも、もう大切なひとたちに迷惑なんてかけたくないから、できたらあいつがいなければいい、と思う。
前科が付いてしまった。 前科が付いてしまったことで怖いのは、あのひとたちのあたしに接する態度の変化よりも、自分自身に歯止めがかけられなくなるのじゃないか、ということ。 海だの山だのに囲まれたあの田舎に行くのは、少し怖い。 自分がどういう行動に出るかわからなくて。
愛されている、と思う。 後輩に。おにいちゃんに。あのひとたちに。 愛してくれるひとたちを、愛することができて幸せだ。
Hを愛している。たぶん。 誰を一番愛しているかなんてわからない。 だけど、Hに関しては、あたしが一方的に彼を愛している、のだ。一方的なだけ、想いはどうしようもなく深まっていく。 自分の欲望を押し出して付き合っていくことなんてしない。 だけど、もし、あいつとちゃんと向き合うことがあったら…………また、どうなったっていいと思っている自分が相変わらずいる。
猫のようになりたいといろんな意味で思っている。 約束は破れない。 先生とした約束、Kと交わしたあのひとたちとの約束。 もう二度としないよ。もう二度とあんな思いはさせません。 だから、猫のように、どこか知らない場所にひっそりと消えて、死にたい。
|