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■ 拉致被害者 その弐
続報を見る。どこもかしこも垂れ流しの同じ情報。 ある被害者の兄が淋しそうに、意外そうに言ってた。 「手紙書くよって言うんです」 ああやっぱり・・と思う。その人達にはそれなりの 生活があるんだ。 日本には行きたい・・と思ってはいたのだろうけど 絶対に帰ってそこで住みたいとまでは思ってなかった のではないかと、私は感じてたから。 だって子供にも自分が日本人であることさえ知らせて いないって言うんだもん。 当たり前に思ってる自分の親は日本人。それが急に 「実はお父さんとお母さんは○○人なんだよ」って 言われたらそれがどこの国であっても何らかのショック あるよね。 そうしなければいけなかった事情はあるだろう。 拉致当時は帰りたかっただろうし、怖くもあっただろう。 でもあちらの生活に於いてイノチの危険を感じたことは なかった・・と。 食事も日本と同じ様なモノを食べていた。好きなのは妻 の作るカツ丼だ・・とも。
これがもし結婚していなくて、同じ境遇の人が一人も いなくて、24年間孤独に耐えていたって言うのなら 帰りたいって思いはもっともっと強かったと思う。 でも思う。 今の日本。外国で生活してた人が急に戻ってきて、生活 しやすいですか?と。 いじめだ、家庭内暴力だ、虐待死だ、保険金殺人だって。 そんなものはどこの国にだってあるじゃないかと言われ ればそうかも知れないけど。 少なくても今この不況の中、勤め先を見つけ安定した 収入を得ることが大変なんじゃないだろうか。 24年間安定して生活を保障されてて、子供も日本語に 不自由だと言うこともあればやっぱり「日本は行きたい国 であって生活したい国」ではなくなってるような気がする。
前述の兄が嘆く「住所を教えてくれって言っても、この 前言ってある。また言うのか」と言われたと。 これはやっぱり哀しいだろ。 手紙を書く、ならこっちも出したい。出すには住所をちゃん と教えてくれよ・・と。 これを躊躇する理由はなんだろう。
最近このニュースを見て思う。 本当の被害者って言うのは、日本に残ってる家族の方だった んじゃないかと。
2002年10月17日(木)
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