白い白い入道雲を うつす水鏡は つま先を差し入れても 揺れることなく ただ透き通る
生きてきた世界を透して 静かにそこに在って あなたは見渡す
私は空を見上げて 雨の日も 雪の日も 晴れの日も 夜でさえ 見上げれば通じ合う 私から見えなくても あなたからはいつも見えている
私は信じる
いつか水鏡の世界へ行くまで 決して挫けずに生き続けよう | |
暗い森を抜け出して助かったのに また振り返って 片足をスと差し込む
思うの 浸るの
戻れるくらいの距離だけ。 迷わない程度に。
臆病な怖がりなの
その男の距離は計り知れない 森は永遠に続く
だから私は 入り口へと戻ってきたの
その後の事は考えなかった 死ぬことくらいしか考えなかった
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