世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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やぶれかぶれにロッカーを倒す。よけるランディ。その隙に十字架を首にかけ それを相手に見えるように突き出してみる。 チャンスか? プルーはエレベータホールに出る。 丁度エレベーターがきていた。 イチカバチカ乗り込む。 ランディが来る前に閉まる。
プルー 「はぁ、はぁ。(荒い息遣いの中、冷静に)・・・ 人間の体を借りてるから、物体を通り抜けたりはできないのかしら? とにかく早く家に帰らなくちゃ。」(しかし、手には十字架を握り締めている)
ランディはすべるようなスピードで非常階段を降りていく。 駐車スペースに辿り着くプルー。彼女の車まで後少し。 ポケットをまさぐる。
プルー 「うそ!鍵が!」 このとき、アンディからハリウェル家に電話。 (先ほどのシーンに時間がつながる。)
アンディ 「プルーは、いない?!」 パイパー 「えぇ。(ただならぬ雰囲気に)何かあったの?」 アンディ 「今、マクダウェル医師を訪ねた。家族に何も伝えず、姿を消した。」 パイパー 「なんですって?!」 アンディ 「本来ならきみたちに危害を加える人物ではなさそうだが、注意して!急行する!」
電話を切るや否や、パイパーはプルーの携帯に電話する。
パイパー 「フィービー!プルーが!・・・ランディが姿を消したって!」 フィービー 「ターゲットにはならないって言ってたのに?」 パイパー 「十字架を持ち出そうとしたことで、破滅から逃れるために狙ってきたのかも!」 フィービー 「そんな・・・。」 パイパー 「あぁ、お願い、プルー、出て、出てよぉ、電話に!」
プルーの目の前の車の中から携帯の呼び出しが聞こえる。
プルー 「パイパー、フィービー?」(あなたたちなの?という感じ) 車に走り寄ろうとしたその時、ランディがその前に立ちはだかる! プルーは、思い切って力を使う!
プルー 「パイパー!フィービー!」(祈るように)
彼女は魔力で車のドアを開け、携帯を手元に引き寄せる。 その時、ドアの前にいたランディが衝撃で倒れる。
プルー 「あたしよ!プルーよ!」(相当息があがっている) パイパー、フィービー「プルー?!無事なの?」 プルー 「今のところはね、・・・」
プルーが車に乗るためにはランディに近付づかなければならない。 またも十字架のチカラを信じて、やってみるか?! その時、一台の車が入ってくる。
プルー 「(思わず)アンディ?」
つづく
一方、アンディとモリスはマクダウェル家の玄関にいる。中からリサが出てくる。
リサ 「それが、いないんです。さっきまでマイケルに童話を読んでくれていたんですが・・・。 いつも黙って出て行ったりしないのに。」 アンディ・モリス 「いない?!」
マクダウェル家から車に向かうまで考え込んでいたアンディだが携帯を手に
アンディ 「俺だ、トゥルードーだ!重要参考人が姿を消した。 オコーナー氏の身辺に気をつけろ!」 モリス 「次の標的がオコーナーなら一網打尽。」 アンディ 「・・・・・。」(考えて携帯電話をかける) モリス 「お前、何を考えてる?」 アンディ 「・・・・。」
呼び出し音が鳴っている。プルーのバッグから聞こえるが、車の中。 虚しく響いている。
アンディ 「プルー、プルー!?」 モリス 「(おいおいと一瞬なるが)まさか?」 アンディ 「・・・・。」
呼び出し音が鳴るばかり。アンディ、切る。少し不安げ。 とにかく車を発進させる。ハリウェル家へ向かう。 ハリウェル家の電話にかける。プルーの居所を確認するために。 その、少し前のハリウェル家。
フィービー 「じゃあ、さっきのマリアナの過去の映像は、私に『未来に起こること』を 教えるために何かを書いて残してくれたって事?」 パイパー 「そう考えたらつながってこない?ね、続き、そうよ、続き見えないの?」 フィービー 「見えたら見るよ。普通の予知もまだコントロールできないのに・・・・。」 パイパー 「あ・・・ごめん。」 フィービー 「いいよ。(笑顔)」
パイパー 「・・・書いてたって、何にだろ?ページをめくるって・・・手紙じゃなさそうね。 あ、もしかして日記みたいなものじゃない?」 フィービー 「うん。多分、そんな感じ。でも、私、日記なんかつけてないよ。」 パイパー 「・・知ってる。・・・・」
彼女達が過去からの未来へのメッセージについて考えている頃 バックランドのプルーは。熟知した倉庫を出入り口に向かっている。 ふと、見を潜めてみる。音がしない。振り向けばそこにはランディの姿は無い。 一瞬、安心するが、前を見るとランディは出入り口の所に立っている。 プルー、意を決して。
プルー 「あなたは、ランディでしょう?ランディ、どうして?私、プルーよ。 今日も話したわ、あなたと。昔の話もしたわ。お願い思い出して、ランディ!」 ランディ 「・・・(無表情)」 プルー 「ランディ、いつから魔物に取り付かれたの?ランディ!ランディ!」 ランディ 「・・・(じっと見ている)」 プルー 「(少しづつ近づいてみる)あなた!正体はわかってるの。 ランディの体を利用しているんでしょう?もうランディは死んでいるの? それともチャンスがあるなら、返して!ここにあなたを脅かす十字架があるわ。 あなたを滅ぼす事は、簡単なのよ!教えて、ランディをマイケルたちに返して!」
ひるんだのは、マイケルという言葉にか?それとも十字架にか。 プルーとの距離を保とうと、後ずさる魔物(ランディ)
プルー 「マイケルが家で待ってるわ。あなたの中にまだランディがいるからあんな風に 幸せそうにいられるんでしょう?」 ランディ 「・・・・(微動だにしない)」 プルー 「何も反応しない・・・もう、ランディはいないの?(焦るプルー)・・・ (じゃぁ、と、十字架を突き出す)これね?これに近づけないのね?」
十字架をたてに退路をきりひらけないか考えるプルー。しかし時間はなさそうだ。 ランディの体から青い炎がオーラのように出できた。そして右手がすっと伸びてくる。
プルー 「私の魂をとってどうするつもり?あわないわよ、あなたには!」 ランディ 「・・・(不敵に笑ったかのように見える。炎はさらに青白く広がり手がプルーに向く)」
プルー 「(反射的に魔力でランディを投げ飛ばそうとするが)・・・・・ ダメ、出来ない。パイパーなら時間を止められるのに。どうしたら・・・?」
つづく
パイパー 「ごめんねアル、あ・・・切れてる。 ・・・プルーそれどころじゃないと思うんだけど・・・。って、名刺? なんでアルがプルーの名刺持ってるの?・・・? 親父?親父って・・ランディの日記?!」
切れてしまった電話の受話器を相手にノリツッコミをしてしまうパイパー。 これを聞いてフィービーは
フィービー 「今のアルなんだ・・・(一瞬、何故に?という表情の後、むっとして)なんで切ったの。」 パイパー 「切れたのよ?それに、だってそれどころじゃないでしょ!?」 フィービー 「てことは、最初から切るつもりだったね?」 パイパー 「結局はプルーにだったんだし・・・」 フィービー 「聞こえた。最後のとこ。パイパー、独り言大きすぎ! だいたいなんでプルー、アルに名刺渡してるの?人に色々言っておいて!」 パイパー 「それは・・・私もわからないけど、今はそういうことより、 もっと別の事に集中しないと・・・」
フィービー 「で、ランディの日記って何?」 パイパー 「わからないわよ。ただそれをアルがプルーに渡したいんだって!」 フィービー 「何で?プルーに?」 パイパー 「だから!知らないって言ってるでしょ?あぁ、それより、 プルーに一応伝えた方がいいよね?」 フィービー 「・・・(ちょっと怒ってる)」
そういう場合じゃない時にも私情をはさんでしまう3姉妹であった。
パイパー 「なにすねてるのよ。」 フィービー 「・・・(ちょっとすねてる)」 パイパー 「もう、フィービー!プルーに限って、無いって!あんたじゃないんだから。」 (なぐさめるつもりが) フィービー 「(むっとする)」(大事な経典の発見のことは飛んでいる)
パイパー 「プルーにアルが行く事、知らせといたほうがいいかな・・・」 と、言いかけて、フィービーが経典を抱えているのに気付き、指差し
パイパー 「何で?」 フィービー 「あ!そうだった。思い出した!」 パイパー 「何を?」 フィービー 「これ見て」(と、その場で経典を広げかけて) パイパー 「(自分も手元の鏡を見て)とりあえず上に戻る?」
屋根裏。パイパー、鏡を調え、マッチをそばに置いておく。 その間フィービーは、経典が開きマリアナの過去(?)を見たことを話す。
フィービー 「さっき、写真がひらひらって、このページを開けたんだ。」 パイパー 「それで、本当に見えたの?過去でしょ?」 フィービー 「過去、のはずだよね。マリアナが何か書いてるんだから。 でも、それがね、変なんだよ。何も書いてないページを何枚も飛ばして、 あるページに確信的に止まって、そこに書き始めるんだけど、 それもページの途中からなんだよ。変でしょ?」 パイパー 「普通そんな書き方しないわよね・・・。それにその経典のページ。 おばぁちゃんの字だけど、前に見たとき、こんなのなかった気がするし・・・。 『未来が見える魔女』って、フィービーのことでしょ?」
フィービー 「うん・・・。だよね?でも、これどういうことだろ。 『未来を知るものは、未来を見るものに伝える事ができる。 未来を見るものは、未来を知る者からの伝えを聞け』」 パイパー 「・・・さぁ。『未来を見る者と知る者』?他に書いてないの?」 フィービー 「うん。」
パイパー 「でも、やっぱり、それっておばぁちゃんたちが、何か教えてくれようとしてるんじゃない? 写真が指し示した、おばぁちゃんの書き加えた経典・・・。」 フィービー 「だよね?じゃ、これも魔物退治に必要だってこと?」 パイパー 「多分そう。・・・魔女の勘!(にっ、って笑う)」 フィービ 「うん?・・・・。(何それ?という風)」 パイパー 「それにフィービー、あんた、感じない?なんか以前もあったじゃない。 さがしても、さがしても見つからない時、勝手に経典がめくれていって。 指し示してくれたじゃない。」 フィービー 「うん。そういうことあったけど・・・・(写真を見て)おばぁちゃんか・・・。」
パイパー 「(くいいるように見つめる彼女に)フィービー?」 フィービー 「(思いつき)そうよ、そうなのよ!(再び写真を見て)そうか、そうかも。」 パイパー 「?」 フィービー 「パイパーの言う通りかもしれない。おばぁちゃんたちが助けてくれてるんだ。」 パイパー 「じゃぁ、『未来を見る者』がフィービーだとしたら・・・。今までのことは 『未来を知る者』つまり、もっと昔に予知していたおばぁちゃんが、 『その時』がきたら見せてくれてるってこと?」 フィービー 「それは、ちょっと違うと思う。おばぁちゃんの力と私の力は同じ種類のはずだもん。 私たちは受け継いでいるんだから。」 2人 「・・・・・」 2人は考え込んでしまうが、思い当たったように同時に写真を凝視して、 それから顔を見合わせる。
2人 「マリアナ?!」
やったね、という感じで、満足げに見つめあう。
つづく
と、悦に浸っていると、さっきの祖母たちの写真が風に舞い、参照している 経典のページも風で勝手にめくれていく・・・ あるページで止まり、その開かれたページの上に写真がふわりと乗る
フィービー 「何?まだ何か必要なの?教えてくれようとしているの? (止まったページを見て)これ・・・おばぁちゃんの字だ。」
と、写真に触れた途端、またいつもの予知の時のようにびくっと衝撃が。 そしてマリアナが何か書き物をしているのが見える。
フィービー 「ウソ・・・これって未来じゃなくて過去でしょ?なんで私に見えるの?」
一方、バックランドに着いたプルーは鍵を魔力であけ、倉庫へと向かっていく。 彼女を見つめる存在が背後にいるのに気付かない様子。 なれた手順で倉庫に着き、防犯ビデオに注意しながら プルーが死角においてあったケースを見つける。 しまった!鍵はオフィスの引き出しだった! 魔力を使い、鍵をあけ、中身を確認している時、突然視線を感じるプルー。 振り返ると、倉庫の奥からランディが近づいてくる。 しかし、形相がいつもの穏やかな彼ではない。しかも、なぜ奥に? 咄嗟に十字架だけをつかみ、出入り口に走るプルー。
その頃、プルーに危険が迫っている事を知らないハリウェル家 鏡を幾つか見つけたパイパーが屋根裏に戻ろうと急いでいた。 そこへ、電話が鳴る。
パイパー 「ん、もう、誰よ、こんな時に!(思い直して)まさか!プルー?(急いで出る) プルー?プルーなの?返事して!」 アル(声) 「あ、もしもし?プルー・ハリウェルさんのお宅ですよね?」 パイパー 「そうですが、あの、プルーに何か?」 アル(声) 「こちらアルバート・マクダウェルですが、・・・フィービーじゃ、ないよね?」 信号待ちの車中から、かけているアル。パイパーと、交互に映る
パイパー 「(ちょっとむっとしながら)あぁ、ハイ、アル。私はほら、 昨日クエイクで会ったんだけど、パイパーなの(言いながら苦笑い)。 フィービーに用事なら、あの今、たてこんでるから、掛け直させるわ?」 アル 「あぁ、ごめん、パイパー。ごめん。それに違うんだ。 フィービーじゃなくてプルーいるかな?」 パイパー 「(解せない)プルー?」 アル 「プルーに渡したいものがあるんだ。」 パイパー 「(やっぱり解せない)フィービーじゃなくて、プルーに?アル、あなた何考えてるの?」 アル 「パイパー、落ち着いてくれないかな?」 パイパー 「実は、とても落ち着いて話を聞いていられる状況じゃないんだけど。 たてこんでるって今言った・・・」 アル 「(さえぎるように)こっちも急いだ方がいいと思うことなんだ。 とにかくプルーに代わってくれないか?」
アルの雰囲気に圧倒されてパイパーは、
パイパー 「プルーは今いないの。」 アル 「(信号が変わり、発車する)どこに行ったのかわかるよね?」 パイパー 「会社に戻って・・・・。」
と、つい言ってしまう。アルは、以前プルーを乗せた時にもらった名刺を見て
アル 「O.K.バックランドだね。名刺をもらっていてよかった。場所はわかる。」 パイパー 「って、だからプルーもたてこんでいて、そっちには行っても・・・」 アル 「(またさえぎって)直接行くよ。ありがとう、パイパー。」 パイパー 「あ、待って、そんなに急いで渡すものって何?」 アル 「親父の日記だよ。じゃ、あとで。」
丁度、この会話の間に階段を降りながら叫んでいるフィービー。 手には経典を持っている。あるページにあの写真をはさんで。
フィービー 「パイパー!大変よ!なんかわかんないけど、大変みたい! おばぁちゃんの書いた経典が・・・」 パイパー 「(シーっと口に手を当て、電話をしてる事をアピール。)ちょっと待って。」
と、その間に電話は切れている。アルは、日記を見つけて早く渡さなければ いけないという胸騒ぎにかられている。アクセルを踏み込む。
つづく
経典を見ていたフィービーは、
フィービー 「プルー、あと、ろうそくの光と、反射させる鏡が必要みたいだよ。」 パイパー 「それと幾つかのハーブと。ガラスのもの。でも、全て家にあるわ。大丈夫。」 フィービー 「それに、この魔物、事前にこっちにひきつける必要はないみたい。 呪文が効けば、引き寄せられるって書いてある。」 プルー 「わかったわ。準備をお願い。一番重要な遺品の中の十字架、 あれが女の子孫に受け継がれることをマリアナは望んでいたのよ。 ランディは、魔物に取り付かれて家に戻った。認めるしかない、きっとそう。」 二人 「プルー・・・。」
プルー 「それが事実よ。仕方ないわ。ランディに巣くう魔物は、まさか自分にぴったりの体の 妻だった女性が、魔女だとは気付かなかったのね。こちらへ来て気がついて、 慌てて自分から遠ざけようとしたのよ。」 フィービー 「じゃ、間違いなく、あれが魔女の力が封印された白い石だね。」 プルー 「間違いないわ。私、取りに行く。」 パイパー 「1人で大丈夫?」 プルー 「ターゲットは、今のところ私たちじゃないし、ランディはマイケルと一緒。 アンディたちがランディのところへ行くとも言っていたから。(力強く) 大丈夫。すぐに帰ってくる。」
バッグとジャケットを取り、階下へ向かう。その背中に
パイパー 「何かあったらすぐ電話してよ!」 フィービー 「・・・行っちゃった。」 パイパー 「さ、こっちは、この絵の通りに、ろうそくの光と鏡を用意しなきゃあね。」 フィービー 「O.K.・・・でも、変だよね。魔女の私たちがターゲットにならない魔物なんて・・・。 それに、魔物に乗っ取られてるのに、ランディはどうしてマイケルを あんなに大事にできるんだろ?」 パイパー 「そうね・・・人間として生活している方が、次の獲物を狙うのに何かと都合がいいから、 乗っ取った体の記憶を利用しているんじゃないかしら。」
フィービー 「するどい!さすが・・・」 パイパー 「変なこと言ったら、承知しないから。」 フィービー 「・・・さすが、パイパー!って言おうとしただけよ。」 パイパー 「信じてあげるわ。ランディの体を手に入れたって事は、引退した医者の体を 手に入れたってことで、魔物は待っているだけで、医者である友人の前でなら 弱みをみせる人間にどんどん巡り会えたのよ。」 フィービー 「それで、体を乗り移さずにランディの体を利用したまま、 魂だけを抜き取ってたんだね。(身震いする)」
プルー、バックランドに向かう車中、表情は硬い。 屋根裏、経典の指示どおり、テーブルに呪文のための準備をするパイパー、フィービー
パイパー 「ガラスのものって、これでいいかな?(小さなボール型のアクセサリーケース)」 フィービー 「いいんじゃない?」 パイパー 「じゃ、これを真ん中において。」 フィービー 「パイパー、それ、上下逆にしなくちゃ。その上にプルーがもってくる 十字架を置くんだから、真珠に光が集まるように。」 パイパー 「あ、そうね。わかってる、わかってる。(笑ってごまかす)」 フィービー 「ろうそくを8本・・・囲むように置いて?」 パイパー 「うーんと、それ以上の数の鏡をろうそくのまわりに・・・」
フィービー 「足りないね。(と、色々の形の鏡を立てながら)」 パイパー 「私、下に行って、取ってくる。とにかく8以上は必要なんでしょ?(下へ行きながら)」 フィービー 「パイパー、頼むね。・・・よし、輪を小さくすれば、隙間が出来ないんじゃない? 鏡の数も最小限におさえられるし。(と、寄せていき)うーん、いー感じ。 我ながら天才。」
つづく
「敵の正体が知る時がきた」フィービーの言葉に緊張感がみなぎる
フィービー 「(読み始める)『人間の体を借り、その魂を生命力に生きる。魂が消える前に、 その体を捨て別の体に移り、生き長らえる。死を望んだ者の続きを生きる。 人間の死への願望を、ただ命をつなぐために利用する種族。』」
パイパー 「え?種族っていっぱいいるってこと?」 フィービー 「待って。『見合う魂が見つけられない場合もあり、種としては減少していると思われる。』 だって、動物図鑑読んでるみたい。変な感じ。まじ、減少してるといいけど。」 パイパー 「ね、それじゃ、その実体のない魔物に見合う魂が、飛降りさせられた人たちってこと?」
フィービー 「そう、なるの、かな・・・?変な言い方だけど、サイズがあったって、こと?」 パイパー 「ひどい、洋服じゃないんだから」(そういってテーブルの上の写真を見る) プルー 「ええ、ひどいわね。そして彼らは魔物にとっての条件もそなえていた。 何らかの事情で一度は死を願ってしまった。実際にはそうしない強い心を持っていたけれど。 人間の一瞬の弱さを利用した卑劣なやりかたよ。」
言って、プルー、はっとなる。アルに聞いたランディの遺書めいた日記を思い出した。 もしかして、ランディはやはり乗っ取られているのか。その思いをふりきるように。
プルー 「ねぇ、実体のない魔物をどうやって?方法は書いてあるの?」 フィービー 「『善良な魂を食い尽くす前に封印された魔女の力を秘めた白い石が 魂と同じ光を放つとき、魔物は消える。そして二度と蘇らない。』 呪文と白い石の使い方が載ってる!」 プルー 「『善良な魂』・・『白い石の光』・・・あれよ、あれだわ。私、見たわ。 あの時まぶしいと感じたのは、このことだったのね?」
パイパー 「マリアナの遺品?・・・ランディが形見分けでなく、売ろうとしたのも理解できる。」 フィービー 「自分では壊せないのかな?」 パイパー 「そうかも・・・(言いかけて、写真を見つけたのだ)あった!!これよこれ、 彼女達が映っている。やっぱり、マリアナも魔女だったのよ。これ、この部屋だもん。 でも、このもう1人の女性は?」 プルー 「貸して!見て、このマリアナの胸元。これよ、私が光を感じた十字架、 真珠が埋め込まれているの。」 フィービー 「真珠、白い石・・・なるほど。」 プルー 「このさい、もう1人の女性は今はいいわ。私、これを取りに行かなくちゃ。」
その時、またしてもプルーの携帯が鳴る。無視しようと思うが、出る。 パイパー、フィービーは経典で他に必要なものや、重要な記載がないか読む。 携帯の相手はリサだった。ベッドルームからかけている。
リサ 「プルー、あの宝石の事なんだけど・・・。」 プルー 「実は今、取り込んでいて。(アルの「リサはマリアナから宝石の説明を聞いていたようだ」 、という言葉を思い出し)あ、私も聞きたいことが、あの宝石の事、 マリアナから特別に何か聞いていたと思うの。思い出せないかしら?」 リサ 「そのことなの!私、思い出したの。マイケルが生まれる前に日記をつけていたこと。 その頃、義母は、私にいろいろな話をしてくれた。その日記を出してきたの。 そうしたら、プルーのおばぁちゃんとイサベルと一緒に映っている写真が しおりのようになっていて・・・。」
彼女の手元。日記のページが開かれている。片側に写真。 プルーの手元にある写真。この2枚は同じ物である。
プルー 「それで?」 リサ 「お願い、プルー、あの宝石は手放してはいけなかったの。こんな大事なことを忘れているなんて。」 プルー 「大丈夫よ、リサ。まだ間に合うわ。続けて。他になんて書いてあるの?」 リサ 「『この宝石たちはいつか必ずマクダウェル家を守るために役立つだろう。 特に十字架だけは決して手放してはいけない。この家に女の赤ん坊が生まれたときに託せるよう、 大事にしなければならない』 と、言われていたの。生まれたのは男の子だったし、義母も詳しいことは いずれ話す時が来たらと言っていたから、印象が強くなくて・・・私どうしたら・・・。」
プルー 「よく思い出してくれたわ。充分よ。実はこちらにもおそらく同じと思える写真が出てきたの。 マリアナがその十字架を胸にかけている写真よ。動じないで、大丈夫。 今から会社の倉庫に取りに行くから。安心して待っていて。」 リサ(声) 「本当にごめんなさい。ありがとうプルー。」
プルー 「あ、それで、ランディの様子はどう?」 リサ(声) 「マイケルを寝かしつけてくれているの。お友達の亡くなった夜が続いたけれど、 マイケルに童話を読んでくれている姿は、いつもと変わりないようにみえるわ。」 プルー 「そう、よかった。また、連絡するわ。バイ。・・・あ!ランディから目を放さないで・・・。」 パイパー 「どうしたの?伝えられなかったの?」 プルー 「いいわ、もし、ランディに悪魔が取り付いているのなら、リサに見張らせるのも危険だわ。 それに、アンディたちももう着くでしょう。」
つづく
鳴り響く携帯の呼び出し音。3人は手をとめ、はっとなる。プルーが
プルー 「私だわ。」
テーブル脇の椅子に置いたバッグから携帯を出す。 フィービーは経典の今見つけたページを読みながら、 パイパーは捜し物を続け、あるチェストのアルバムに目をつけながら、 プルーに耳を傾けている ちょっと今回は短めなのでSちゃんよりサービスいただきました。絵付きよ! こんな感じ
プルー 「はい。プルー・ハリウェル。・・・アンディ?」 アンディ(声)「プルーか?わかったことを手短に言う。」 プルー 「O.K.」 アンディ(声)「被害者の通院先は全てDr.ランディ・マクダウェル。」 プルー 「・・・」
警察のデスクから電話しているアンディは、話しながら出かける準備をしている
アンディ 「トム・オコーナー氏が見つかった。身辺警護をつけることにしたよ。・・・プルー?」 プルー 「聞いているわ。ありがとう、トムのことお願いね。それから・・・ (意を決して)ランディには会わせないで。」 アンディ 「重要参考人だからね。そのつもりだ。会わせないよ。俺たちが今からランディのところへ行く。」 プルー 「O.K.・・・(気がついて)アンディ!手荒なまねはしないで!ランディは・・・」 アンディ 「?」
プルーはランディを信じて心配しているはずなのだが、 ランディは魔物かもしれない。パイパーとフィービーは成り行きを見守っている。
プルー 「ランディは高齢だし。行方不明になった時のことで、警察に対してナーバスになっているらしいわ。 事件の事は伏せて、できるだけさりげなく近づいた方がいいと思うの。」 アンディ 「まず、参考人として話を聞くだけだが、気に留めておくよ。」 プルー 「ありがとう。よろしくね。・・・・あ!アンディ。それから・・・。」 アンディ 「まだあるのかい?」 プルー 「(心をこめて)気をつけて。あなたも。」 アンディ 「あぁ。(心配してくれてるのが伝わり)ありがとう。気を付けるよ。」
屋根裏部屋。携帯を切り、しばらく立ち尽くすプルー。考えている。 フィービーの視線に気付き
プルー 「トムの居所がわかって、身辺警護をしてくれるそうよ。」 フィービー 「(笑顔が戻って)とりあえず、安心していいよね?」 プルー 「ええ、多分ね。」 フィービー 「(返事代わりに笑うが、すぐまた真剣な表情を取り戻し)プルー、やっぱ、これだよ。」
さっきプルーと見ていた経典のページを見つめる。プルー、そこへ行く。 パイパーもいくつかのアルバムや写真の箱を持ち、それをテーブルに置き このときばかりは、経典の近くへ行く。
フィービー 「パイパーも聞いて。敵の正体を知る時が来たよ!」
つづく
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