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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
6月1日NHKBS2バウンティ号放映

ニュースが続きますが、6月1日は海の日でもないのに帆船が盛り沢山で、

2月2日に放送予定でしたが、国会中継にあえなく吹き飛ばされてしまったNHKBS2のバウンティ号の映画、6月1日午後に放映となります。
この情報はFさんからいただきました。ありがとうございます。

戦艦バウンティ号の叛乱
6月1日(月)午後1:00〜午後3:14 NHKBS2
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie.html#200906011300



さて、これでおしまいも何ですので、本日はちょっとおしゃべりなど。

「レスポ Lesport」というバックのブランドがありますよね。様々なプリント柄が個性的で、日本では人気ですが。
このブランドの初夏モノのプリントには、ときどきマリン…というか海洋柄のものが登場します。

これが単に錨とか浮き輪とか誰でもわかる、いかにも海なマリンではなく、セクスタントとかデバイダとか玄人好みの…っていうか「これがマリンだって、相当海に詳しくて知識のある人にしかわからないわよ!」なマニアな海洋柄などがあって、
ブランドには無縁の私も、このセクスタントとデバイダにはハートを直撃されて、ついよろっと購入してしまいました。

そのレスポ、今年の初夏ものでまた…マニアな海洋柄…でもあれれ?な新作プリントを出していまして、
このプリント柄、その名を「アホイ」と申します。
カタカナで書くとなんだかあほですが、アホイはAHOY! 船乗りの呼びかけ言葉ですね。
そう呼びかけ…ということで、今年のプリント柄のテーマは国際信号旗なのです。

このページを下へスクロールしていだたくと、12-3番目に「AHOY]が登場します。
http://www.lesportsac.com/external/color.html

アルファベット旗だけではなくて、三角旗まであるところが嬉しいのですが、
あー、でも問題は、みなさんもお気づきだと思いますが、「色」なんです。
いや渋くて実に良いセンスだと思うんですけど、でもね、信号旗は色が変わってしまったら信号旗じゃないのよね。
…というわけで、私は今、これを購入したものか否か迷っております。
信号旗がもともとの信号旗通りの色だったら、私も迷わないんですけど。


2009年05月30日(土)
横浜、帆船一般公開情報 追加

クアウテモック他の一般公開情報が横浜博のHPに詳しく掲載されています。
この情報はTさんとMさんに教えていただきました。ありがとうございました。

「6月船舶一般公開」の詳細について
http://event.yokohama150.org/news/20090525-3.html


クアウテモックは昨日28日から10:00〜17:00で一般公開されているようです。
6月5日までの公開ですが、土日に当たる30日、31日および2日(火)は入場整理券配布とのこと。

今日29日には海王丸も入港するそうで、帆船2隻が横浜に揃い、きっと壮観な眺めになることでしょう。
海王丸は
平成21年6月1日 10:00〜16:00
平成21年6月2日 13:00〜16:00
の日程でセイルドリルを行うそうですので、平日にお休みのとれる方は、ぜひぜひこの両日に行かれることをおすすめします。

とり急ぎ、追加情報まで


2009年05月29日(金)
メキシコ練習帆船クアウテモック横浜来航

メキシコ海軍練習帆船「クアウテモック」の来航、6月1週目だと思って、来週ご紹介の予定でいましたら、横浜入港が早まりました。
今週半ばにはもう三本マストの優雅な姿が横浜港にお目見え。

このニュースはSさんに教えていただきました。ありがとうございました。本当に感謝です!私も予定が早まったことに気づいていませんでした。

詳細は下記海上自衛隊のHPにありますが、とりあえず横浜と東京の予定です。

海上自衛隊ニュースリリース
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/info/news/200905/052201.html

クアウテモック来日期間及び寄港地
平成21年5月27日(水)〜6月 6日(土):横 浜(横浜新港)
平成21年6月 6日(土)〜6月11日(木):東 京(晴 海)
平成21年6月12日(金)〜6月13日(土):御 宿(錨 泊)

行動の概要
5月27日(水)10:00       メキシコ海軍艦艇横浜入港
         10:30〜11:00 入港歓迎行事
         11:00〜11:15 記者会見
5月28日(木)〜6月 1日(月)
         10:00〜17:00 一般公開(ホストシップ)
6月 2日(火)10:00〜12:00 一般公開(ホストシップ)
6月 3日(水)10:00〜17:00 一般公開
6月 4日(木)10:00〜17:00 一般公開
6月 5日(金)10:00〜17:00 一般公開
6月 6日(土)09:50       ホストシップ横浜出港
         10:00       メキシコ海軍艦艇横浜出港
         13:20       ホストシップ東京入港
         13:30       メキシコ海軍艦艇東京入港
         14:00〜14:30 入港歓迎行事
         14:30〜14:45 記者会見
6月11日(木)13:50       ホストシップ東京出港
         14:00       メキシコ海軍艦艇東京出港

横浜寄港が早まったのは、実は新型インフルエンザの関係で関西寄港をとりやめたからだと言われています。
…ので、上記の一般公開予定も、関東での今後のインフルエンザ騒動のなりゆきでは、変更になる可能性もないとは言えないかもしれません。
予定を鵜呑みにされず、一般公開に行かれる方は、お出かけ前に自衛隊HPで最新情報をご確認されることをおすすめします。

しかし、先週ちょろっと書いたことが本当になってしまいましたね(汗)
Sさんにも指摘されましたが、クアウテモックってメキシコ海軍の練習帆船ですよ。
メキシコを出航した時には、まだインフルエンザはそれほど騒がれていなかったのに、太平洋を航海中に飛行機にぐんぐん追い越されて感染が行く手に広がり、寄港先の入港予定が変更…なんて、帆船時代には考えられなかった話です。
もちろん航海中に潜伏期間は終了していますから、クアウテモックの乗組員の方がどなたも感染していないのは明白ですが、黄色の検疫船旗って本来は入港する側が揚げる筈なのに…。


2009年05月24日(日)
黄旗とスローライフ

横浜の帆船模型展の報告を写真入りでupしようと思っていたのですが、外出の用事が長引いてしまったので、今日中にはまとめられそうにありません。恐縮ながらこれは来週以降に…ということでお許しください。

これでおしまいも何なので、世間話など、

世の中インフルエンザで騒がしくなってきましたが、検疫、隔離の基本は昔ながら…帆船時代の検疫隔離の時代…だなぁと思いながらニュースを見ています。
空港で渡される検疫カードが黄色い紙に印刷されているのって、やはり昔ながらの黄色の検疫船旗に関係あるのでしょうかね?

でも世の中のすべてがスピードアップし、伝染病の流行国から12時間フライトで帰ってこれる世の中になってしまうと、検疫とか水際の上陸阻止にも限界があるだろうと思います。
船を乗客ごと沖合で検疫停船できたその昔だったら可能だったでしょうけれど、
もとから船旅は何週間かかかりますから、移動中に検疫期間が終了するというのもありますし、

世の中はスピードアップしているのに、個人の防御策は手洗い、うがい、マスクというのだけは昔と変わらず…マスクは昔より高性能になってますが…、そのあたりのアンバランスもね。
というか、やはり世の中「速ければ速いほど良い」ものではないということなのでしょう。
最近あちこちで「スローライフ」なる言葉が登場していますが、疫病対策にはそのようなライフスタイルの方が適しているのかもしれません。


2009年05月17日(日)
エディンバラ・ミリタリー・タトゥ鑑賞会

いつもお世話になっている海洋系サイトさんの主催で、6月初旬にエディンバラ・ミリタリー・タトゥ鑑賞会が開かれます。
海洋小説をお好きな方だけではなく、英国好きの方、ブラスバンド好きの方にも一見の価値ありの催しかと思いますので、こちらでも紹介させていただきます。

エジンバラ・ミリタリー・タトゥとは、毎年夏8月にスコットランドのエジンバラで開催させるエジンバラ・フェスティバルのイベントの一つで、英国・英連邦諸国および海外から参加の軍楽隊によるパフォーマンス。
今回上映されるのは、2005年のトラファルガル沖海戦200周年を記念したエディンバラ・ミリタリー・タトゥ・2005のDVDとのこと。

この年はトラファルガー200年記念ということで、200年前の扮装をした役者さんによるトラファルガー海戦の寸劇もあり、
主催者様によれば、自宅のテレビやパソコンではちょっとできないぜいたく(大画面&高音質)をしてみたいとのことで、区の施設を借り上映されるとのことです。


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エディンバラ・ミリタリー・タトゥ鑑賞会

日時:2009年6月6日(土曜日)14〜17時

場所:すみだリバーサイドホール
   東京都墨田区吾妻橋一丁目23番20号
   東京メトロ銀座線「浅草」駅、都営地下鉄浅草線「浅草」駅
   東武伊勢崎「浅草」駅 下車

内容:
2005年のエディンバラ・ミリタリー・タトゥ(トラファルガル200周年記念)と他の年からのハイライト。途中休憩あり。

参加費:
ご参加の方には会場借上料の割り勘をお願いします。20人で700円くらいになりそうです。

参加方法:下記メールフォームで参加の意思をお知らせの上、当日現地集合
http://www.sailingnavy.com/modules/inquirysp/

主催:只野四十郎(Sailing Navy)、柴崎薫(赤色葡萄酒艦隊)

お問い合わせは上記メールフォームをご利用ください
只野さんのサイトには会場への地図など更に詳しいお知らせがあります。


2009年05月10日(日)
大統領の海賊?

大統領の海賊ってナニモノ? とお思いでしょうが、もちろんこれに驚いているのは、米国のオブライアン・フォーラム(掲示板)の皆様も同様(女王陛下の海賊というのは有名ですけどね)。
以下は4月中旬にフォーラムの話題となったニュースです。

テキサス州選出の共和党議員が、米国議会に対して、合衆国憲法に定められた「Letter of marque」の権利を行使し、経費の削減を図るべきだという提案を行った。
「Letter of marque」とは、独立戦争や1812年の米英戦争当時にたびたび活用された、政府による保証状であり、民間船舶(privateers)が敵船を拿捕または破壊することを許可するものである。戦利品は賞金(bounty)と引き替えにされる。

私たちが読み慣れた歴史海洋小説では、
(というか、歴史海洋小説以外でこの単語の組み合わせを読んだ経験は、本日これまで無かったのですが)
letter of marqueは拿捕免許状、privateerは私掠船と通常訳されておりまして、これを持っていれば海賊扱いされないという、あれのことです。

1787年に制定されたアメリカ合衆国憲法第一条第八節(十一)には、議会の承認を得られれば大統領にはletter of marqueを発行し、合衆国領海外で、限定された軍事攻撃行動(limited offensive warlike operation)を可能とする権限があるのだそうで、
テキサス州選出議員の提案は、この条文にもとづいている…というのですが、

21世紀に私略船?…なにを時代錯誤な! と思われるでしょう?
ところが実際のところ、この議員の提案には以下のような極めて現実的な背景が隠されているのでした。

先日、ソマリア沖でアメリカ船が海賊に襲われ、誘拐された船長を救出に海軍特殊部隊SEALsが出動するという事件があったのですが、この作戦には実は1,000万ドル(10億円)近くの経費がかかったとされています。
「海軍の装備は本来、他国の正規軍を想定したものであり、米国海軍は最も優れた装備を有しているが、これは海賊と戦うことを想定したものではない」
そこで、
「このような任務は最新鋭装備の海軍ではなく、民間請負業者に委託した方が、経費節減となる」
というのが、この国会議員がletter of marqueとかbountyなどというものを引っ張り出してきた理由です。

bounty(賞金)というと私達がすぐに思い出すのは西部劇の賞金首ですが、2009年現在アメリカでは、実際に、オサマ・ビン・ラディンの身柄に2,500万ドル(25億円)のbountyをかけているのだとか、この場合のbountyは、「懸賞金」と日本語訳されているようですが。
であるからして、同様に海賊にも賞金…ではない懸賞金を適用することは可能である、と。

これはひょっとして、「学校給食は民間業者に委託した方が費用節減になる」という最近日本の地方自治体に人気の政策と、基本的には同じ理屈なのでしょうか?
privateerっていうのはつまり、「野郎ども!かかれー!」とか言って斬り込む命知らずの船乗り集団ではなくて、private companyつまり民間企業というか、まぁアメリカには日本と違って、退役軍人が経営する民間軍事プロバイダーが数多くあるそうなので、基本的には軍に準じる民間企業組織を言うんでしょうけれども。

なんというか21世紀の現代に「海賊」というだけでも頭がイタイのに、さらに私掠船だとか賞金首だとか、
いやそれより、いまだに憲法第一条に私掠船条項が残されているアメリカって…、
第一条第八節は、(十)が海賊取締、(十一)が敵国船拿捕免許状、(十二)が陸軍、(十三)が海軍に関する条項なんですが、

アメリカ合衆国憲法 日本語訳(米国大使館のサイト)
http://japan.usembassy.gov/j/amc/tamcj-071.html

あの国は、基本的人権の一つに「人民の武装権」が認められているので、自衛とか防衛の価値観が、現代日本とは基本的に違うんだろうなぁとは常々感じているところではあるのですが、
正直言って私個人的には、これにはちょっとついていけないものを感じてしまったり、
憲法に私掠船が認められているのって、ちょっと…ちょっと…この現代に、どうなんでしょう?

前回ご紹介した国連の海賊の定義にうるさいことを言ったのって、複数国ありそうですね。
懸念を表明しつつ、今後の動きを見守りたいと思います。

フォーラムで話題となった米国のニュース記事(英語)
http://news.yahoo.com/s/politico/20090415/pl_politico/21245


2009年05月04日(月)