久々かな、東野作品。 毎回なにか違う感動を与えてくれる東野さんは、本当に尊敬。 今回の「殺人の門」を読み終えて、まずだいぶ前に読んだ 「白夜行」に似た空気を感じた。 もちろん、話の内容などは全然違うのだけれど、 人間の心の一番澱んでいる部分、その下にたまった 沈殿物が、ねっとりとまとわりつく。 耐え切れずにすっ飛ばした部分もあった。 主人公に肩入れできないと、読んでいてしんどいものだ。 なんでそうやねん!と思うことも多々あった。 もちろん、主人公田島の人生を手のひらで転がす 倉持というヤツは本当に心から嫌なやつなんだけれども、 本当にこういう人間がいたらと思うとぞっとするし、 その辺が「白夜行」で感じた「いやな感じ」と 合い通じる雰囲気なのかもしれない。 つまり2人は加害者と被害者というものではなく 離れられない運命を背負った負のパートナー…… もちろん、負のパートナーなんて願い下げではあるけれども。
|
2004年03月24日(水) |
|