★若竹七海。 『サンタクロースのせいにしよう』

このタイトルがいいじゃないか。
なんとなく読めるタイトルではあるけれど、それがなぜサンタの
せいにされるのか、読んでみたい、と思ったのだ。

日常の謎連作短編集、という雰囲気は、ちょっと加納朋子作品に
通じるものがあるか。いやもう少し北村薫に近いかも。
加納作品のようにふんわりとした暖かさではなく、ひんやりして
気持ちいい感じかなあ。うーん、うまくいえん。

日常には、本当に謎がいっぱい。それをきちんと解き明かしてくれる
ひとが側にいたら、きっと人生変わるだろうな。
ホントはみんな、曖昧模糊の毎日を送っている。危ういバランスを
保ちながら、でもそれが普通って顔をして。なにせ時間は流れていくのだ。
本当は、どんなことにもそれが起きた原因や結果や意味があるんだろうね。
それを解き明かすことが必ずしも良いとは限らない、のではあるんだけど。

続きがあったら読みたいな。
登場人物のみんな、どうしているのかもっと知りたいな。
2002年05月31日(金)
★アンソロジー。(結城信孝編) 『蒼迷宮』

「女性作家ミステリー・アンソロジー」。
他に、「緋迷宮」もあるらしいので、そっちも読んでみたい。
なかなか豪華な執筆陣である。10名。
小池真理子、新津きよみ、若竹七海、乃南アサ、篠田真由美、
宮部みゆき・・・・知っている名前はこんなところか。
以前からのファンである篠田&宮部両氏の短編はすでに読了済み
ではあったが、色々な女性作家の短編を楽しむことが出来た。
中でも秀逸な怖さを見せてくれたのは、桐生典子さんの「緑の手」。
しかし、どうやらワタシは「緑の手」は持って居なさそうだ。
花は本当に好きなんだけど・・・・(苦笑)

若い若い頃は決して読むことの無かったアンソロジーや短編。
・・・・歳をとったのか?オトナになったのか?
いずれにせよ、楽しみが増えた。
2002年05月30日(木)
★森絵都。 『ゴールド・フィッシュ』

読みたいと思っていた、『リズム』の続編。
主人公は受験生。うーん、懐かしい時代だ。
3人のリズムの行方は、それぞれが今紡ぎ出そうとしている。
大きな夢はまだ見えないけれど、いつかきっとそこに
たどり着く日を夢見ることが出来たなら、それはすごく
シアワセなことだと思う。
自分には夢がなかった。
やりたいことって何?将来もなにも見えなかった。
高校受験は偏差値とかで実力を測って見合ったところを受け、
その先も決して自分の夢のために歩いてきたのではなかった。
「何をやりたいか」とか「何になりたいか」なんて、
全然見えてこなくて、そんな自分にあせっていたっけ。

今「あそこでああしてたら、どうだったかなー」なんて思うことも
あるけれど、今は今でいい。なーんにも人に自慢出来ることは
ないけれど、ワタシはワタシのリズムで。
もしかしたら、まだ何か見えてくるかも、だ。
2002年05月29日(水)
図書館へ行った。

先週はばたばたと忙しく、集中して本をあまり読んでいない
(ただのいいわけ)。
それで、二週間前に借りた図書館本を駆け込みで読破する時間が
全然なかった(これもただのいいわけ)。
でも・・・・やっぱり延長してもさらにまた借りちゃうんだよな、
これが。
だって次いつ返って来るかわからないじゃん?(やっぱりいいわけ)

というわけで、今回の延長本以外に借りた本は、以下のとおり。
「蒼迷宮」←女性作家アンソロジー♪
「ゴールド・フィッシュ」←「リズム」の続編♪
「古書店アゼリアの死体」←失敗した。シリーズ二作目だったか。うう。
「サンタクロースのせいにしよう」←タイトルが好き
「斃れし者に水を」←衝動借り
2002年05月28日(火)
★若竹七海。 『名探偵は密航中』

最近個人的に目をつけている作家さんのひとり、若竹七海さん。
でも本当はデビューとかはかなり前のことだ。
そのあまりに有名なデビュー作「ぼくのミステリな日常」には
まったくやられ通しで痛快だったので、図書館に行くたびにちょっとづつ
物色している。

「名探偵は密航中」というタイトルから、ひとりの名探偵を中心にした
話かと思ったら、そうではなかった。
たまたま海外旅行に旅立つ客船に乗り合わせた人々の、まさに
「てんやわんや」である。
若竹さんには、一人の視線だけで見ているとくるりと裏返されて
呆然とさせられることがままあるが、そういう意味でも油断がならない。

昔は、こうやってのんびりと船旅を楽しんでいたのだなあ。
今では船旅で海外といえば、豪華でお金の余っている人の道楽的意味合いの
方が強いのかもしれないのだが。
ワタシが昭和初期にそんな機会に恵まれていれば・・・・きっときっと
船酔いが嫌で、とっとと逃げ出してしまったに違いない。
もしもお嬢様だとしてもね。(笑)
2002年05月27日(月)
★門前典之。 『死の命題』

以前読んだ賞もの『建築屍材』は、第二作。この『死の命題』がデビュー作
で、探偵役は同じ蜘蛛手氏である。
『建築屍材』の方のストーリー、例のごとくほとんど忘れてしまって
いるので、新しい気持ちで臨んだ。←苦しい言い訳
どうやら、あの時からかなり年月が過ぎているらしい。
探偵役の蜘蛛手さんは、一級建築士だが、今回は難しい建築の話は
ほとんどなく、いわゆる「閉ざされた雪の山荘」ものである。

エピローグに意味があることを途中から考えていたが、まさか
あのようなトリックとは思いもしなかった。むむむむむ。
島田先生もビックリ?
つうか・・・・・すごく悪い夢を見てしまった、その日の晩。
生々しすぎるって。
そして犯人は誰なのか、というところ。ううーん・・・・
つじつまはあっている。頭が変になりそうだったけれども。

おまけ。やっぱし蜘蛛手って名前怖い。
それとは別に、名前は自分的にかなり気にするものなのだ。
本格ミステリと言われるものには、見開きに登場人物の名前と紹介を
ざっと説明してあるものが多いが、ごくごく個人的に、
「そんな人は日本に何人いるのか?」とか「芸名なのか?」とかいう
すごく変わった名前が連発されていると、本文中それを読めないので
それだけで棚に返してしまいたくなる肝の小さいヤツです。はい。
2002年05月26日(日)
★宮部みゆき。 『人質カノン』

久しぶりだ、宮部作品。
自称ミヤベファンなのにもかかわらず、あの「摸倣犯」が恐ろしくて
読めない。
気分が重たくなるのが嫌なのだ・・・ああ、ミステリファンの風上
にもおけぬ。「白夜行」や「盤上の敵」を読んだ時みたいな
あんな気持ちになりたくないのだ。
そんな中で、ふと読んでいなかった「人質カノン」を見つけた。

街の中で起きる、小さな事件。ささいな出来事。
でも、それぞれの中に宇宙があるのは、いつもの宮部作品だ。
いつもより・・・心持ち重いテーマが多いかもしれない。
そんな中で、明日へ向けて開いていく感じのストーリー、「生者の
特権」が好きだ。「生きてて、これからも生きていく」のは
当たり前のことだけど、それを自分の手でつかめたと実感するのは
そうそう出来る体験ではない。
だけど・・・・大切なこと、なのだ。

うーむ・・・・いつも何かを残してくれる宮部さん。
やっぱし読むべきか、「摸倣犯」。
2002年05月25日(土)
月刊ガラかめ。

「月刊ガラスの仮面」も、ついに佳境にはいりつつある。
物語はほとんど終盤、紅天女の稽古シーン。前回の「火・風の
エチュード」に続く「水・土のエチュード」に、真澄様とマヤの
絡みが・・・・
もちろん単行本は全部持っているのだが、一気読みの醍醐味を
存分に味わえるこの月刊誌。他のマンガ家さんたちの「ガラかめ」に
まつわるエピソードなども読んでいて面白いが、何よりも
「やってくれる」と思わせるのが、毎回閉じこみの最初についている
おまけ。
思い出すだろう、昔少女マンガ雑誌や子どもの雑誌を買うと、ページの
見開きに主人公たちのシールやらしおりやらがついているのを。
あれである!
月影先生が「マヤ!恐ろしい子」と言ってるやつとか、真澄様の
大都芸能の名刺とか・・・・・もう笑わせてくれるぜ!
だからやめられない。

でも、最後の来月号(つまり連載に追いついてしまう;;;;^^)には
巻末に毎回載せられている、ホラーマンガがあの名作「白い影法師」
なのだ・・・・。ワタシはあれがトラウマになっていて、今でも
あの机から出てくる恐ろしいシーンが焼きついているのだ。
本当は買いたくないんだよう・・・どうすりゃいいの!(泣)
2002年05月22日(水)
★恩田陸。 『図書館の海』

こういう新しい本をふっと図書館で手に入れると、無性に
うれしいものだ。しかも見つけたのは「返却カウンター」、
つまり誰よりも早く、である。
まだ「返されました」というコンピューター入力処理が行われて
いないのを、お願いして貸してもらった。ふふふ。

内容はそれぞれが独立した短編集。
お気に入りの「光の帝国」の続編がないかちょっとドキドキしたが
ないみたいだった、残念。
しかし「麦の海に沈む果実」や「六番目の小夜子」の外伝がある。

お気に入りは「春よ、こい」。ユーミンの歌が流れる・・・
映画を見ているような不思議な気分。そして、ホッとするラスト。
「イサオ・オサリヴァンを捜して」も、ちょっと変わっていたけど
好きかな。
「オデュッセイア」は星新一そのもののような。びっくり。

SFのようなミステリのような、いや普通の文学のような。
そういうちゅうぶらりんの浮遊感がこの人の持ち味なのかな。
2002年05月20日(月)
図書館の日。7冊借りた。

本当は1週間遅れてしまった。
おこちゃまたちは、「どうしよう」とかなり不安げである。
「ちゃんと返さないと、次に貸してもらえないんだよ」といつも
言っているからだ。
ダンナなどは「図書館から電話あるかもよー」と脅す。
・・・・まあ、1週間だから、見逃して?平日は、学校週5日制になった
せいでみんな帰宅時間が遅くなり、図書館は土日しか行けないのだ。
たぶんその影響は大である。図書館の貸し出しカウンターは、今まで
ワタシが経験したことも無いような長い長い列だった・・・・。

というわけで、今回借りた本は以下の通り。
「魔性の子」←もう読んだ十二国記外伝
「ウメ子」←懲りずにアガワさんを借りてしまった
「図書館の海」←カウンターから即借り、ふっふっふ
「白い犬とワルツを」←まあ話題本だから
「名探偵は密航中」←なかなか図書館にないこの人の本
「死の命題」←蜘蛛手って名前やっぱし怖い
「DIVE!!」←1しかなかった
2002年05月17日(金)
若竹七海。 『製造迷夢』

はい、超能力者好きです(笑)
一条風太刑事の抱える事件に、サイコメトラー美潮の絡んだ
連作短編集。
「絡んだ」というのは、決して二人が共同して探偵ごっこをやる
という話ではないからだ。一条の日常に、美潮がいつの間にやら
絡まってきて、そうして二人は少しずつ距離をちぢめていくが、
決してその展開は甘くないのがいい。
一条さん・・・・自分の気持ちに正直すぎるよ。

ストーリー自体もかなり複雑になっていて、味わいがあるが
ちょっと毒もある。これがこのひとの持ち味なのかな。
最後の話は、ラストが最初理解できなくて、もう1度
読み返したりもした。
でも、一風変わったこの主人公が、嫌いではない。
2002年05月16日(木)
★小野不由美。 『魔性の子』

十二国記外伝。
最初「黄昏の岸 暁の天」を読んだとき、泰旗はどんな風だったんだ〜
これではちょい不親切ではないのか〜と思ったワタシは浅はか。
ちゃんと外伝があった。
さて、これは「魔性の子」が先に書かれていたのか?
あの菊地秀行さんが解説を書かれているが、十二国記については
まったく触れていないから。むむ・・・もしワタシが最初にこの
「魔性の子」を手にとって読んだとしたら、まったく違ったイメージを
持ったかもしれない。
だって、怖いよ、これ。
「不可解な」怖さ。理不尽さ。もう耳をふさぎたい。
やはりあの世界とは相容れないというわけだ。
想像力貧困なワタシの想像力を十分に書きたてる、その描写。
こういうわけだったのね、とちゃんと思いたいために、もう1度
「黄昏」と、その後にもう1度「魔性の子」を読み返した。

・・・・広瀬先生かわいそうすぎ。もちろん何のとがもなくたくさんの
人が死んだという事実も、その原因がなにかということも、あまりにも
哀しい・・・・
2002年05月14日(火)
★小野不由美。 『華胥の幽夢』

短編集、というか今までの長編の中から拾い上げた、エピソード。

「冬栄」これを読んでいると、「黄昏」で起こったことが
信じられない。いったい誰が・・・・??
漣主従は結構好きなのだが、イラストに泣いた。
(もちろん山田章博さんのイラストは大好きなのだけれど)
廉王ってもっと涼しげなイイ男なのではっ・・・と思いこむワタシは
わがままです。
「乗月」月渓は悪い人じゃないと思ってたので、ほっとした。
「書簡」わーいわーい楽俊♪がんばるんだよう・・・・
「華胥」・・・・国のあるべき姿を追い求める骨のある話は、なぜか昔の
活動家たちの時代をを思い出させる。でも、采麟はかわいそう。
「帰山」この国が一番あたたかい。この家族のやりとりは、本当に
清涼剤だと思う・・・

ここまで怒涛のように読んできた十二国記。
なんで?なんでここでストップしてるの〜〜(絶叫)
2002年05月13日(月)
★小野不由美。『黄昏の岸 暁の天』

うーむ・・・・・ここで終わりか。
というか、この上下で前編、というところかな。
やっとやっと泰旗が戻ってきて、これからである。
一体ギョウ宗様はどこに?(ううっ漢字が出えへんやんか)
角のない泰旗はどうなるの?
なんで阿選は妖術が使えるの?
陽子は十二国のシステムそのものにこれからも立ち向かうの?
・・・・などなど、色々思うところあり。ふううう。

浩翰(←サンズイが出えへんやんか)、その理屈っぽさに
花丸♪あなたのような部下がほしいです。

この物語の裏とも表とも言える「魔性の子」、昨日読んだ。
びっくり!「魔性の子」だけ先に読んだひとは、もっと
驚いただろう。こんな物語が隠されていたとは。
だが順序が逆だったので、とにかく飛ばしてしまった。
ラストはわかっていたから。

おまけ。
延旗のスウ虞(またもや漢字が出えへんやんかっ)の名前が、
たまととら。あっはっは。
2002年05月12日(日)
★小野不由美。 『図南の翼』

十二国記シリーズ5作目。
おおっ上下巻じゃない(笑)
シリーズを読破したあと、ネットで検索してみたら、なんと
十二国記関連のHPの多いこと・・・いまさらながらその
人気にびっくり。
あの「100の質問」だけでも3つもサイトがあった!
さらに、この「図南の翼」は、シリーズ中かなり人気が高いらしい。
キャラクターの人気は別として、ストーリーがよくまとまっている。
しかし・・・・昇山がこんなに大変だとは驚き。
じゃじゃ馬殊晶、決して性格がいいとは言うまいが、やはり
王になろうっていう人はどちらの国でも違うのだな・・・・;^^)
前作にちょこっと出てきたときもそのぶっ飛びように驚いたが。
ラストはほんまにふるってるよ。

利広は人気らしいが、ワタシはおっさんの頑丘がいいな(爆)。
はいひねくれものです。
2002年05月09日(木)
★小野不由美。 『風の万里 黎明の空』

いやこのゴールデンウィーク、怒涛のように読んだ。
今回も上下巻;^^) やっぱり長くないとまとめにくいのかな。
楽俊が出てうれしいぞ。←個人的意見
それにしても。陽子かっこよすぎるぞ。むうう。
物語の終わりも、実に爽快。それまでがちと長いが。
だがこれで「慶」にも逸材が集まり始めた。

さあっどんどん行くで。
・・・実は実は、もう連休中に全部シリーズ読んでしまったのだ。

2002年05月08日(水)
買いました。本・・・・・

購入本の更新を忘れてました。
やっぱ休みボケ?
しっかし、この連休中、どっぷり肩まで沈んでおりました。
そう「十二国記シリーズ」。
ファンタジーはそんなに得意分野でもなかったはずだが、
三国志は好きなので。ああーすっかり気分は海客。
というわけで、怒涛のように追加購入した分も合わせて、今回は
ちと多い購入本。

「風の海 迷宮の岸」「東の海神 西の滄海」「風の万里 黎明の空」
「図南の翼」「黄昏の岸 暁の空」「華ショの幽夢」←以上十二国記
「製造迷夢」←若竹さんいいです。
「御手洗潔のメロディ」←まあシリーズぼちぼちいきます。
「悪意」←ついに発見できず、文庫買っちゃった。はっは。
2002年05月07日(火)
★小野不由美。 『東の海神 西の滄海』

十二国記、今回の国は「雁」(えん)。
十二も国があり、この物語どう続いて行くのかと思っていたら、
ちょっぴりずつだが前の物語と登場人物がクロスして、
次への扉を開いている。
破天荒だが、延王はかっこいい。
深慮遠謀で敵を追い詰める布陣はぞくぞくする。ちょっと三国志みたく。
そして、最後もいい。

これCDドラマになってるの?
・・・きゅうううう。
2002年05月06日(月)
★小野不由美。 『風の海 迷宮の岸』

十二国記シリーズ、またまた上下巻。
旅の途中に車内で読んだので、気持ち悪くなってしまった。
だったら読むなよ、と言いたくなるかもだが、面白くて次を読みたい。
葛藤した結果、「気分がすぐれないまま全部読んじゃった」となった。
前回「月の影 影の海」とクロスするキャラもいて、ちょっとした
楽しみもあるし、なにより心優しいのだけれど、頼りない泰旗の行く末が
気になってしかたない。
彼がこちらの世界に来るシーンには、ぞくぞくしたなあ。
そういうことってあるのかも・・・・


2002年05月04日(土)
★島田荘司。 『御手洗潔のダンス』

図書館では、いつも島田荘司さんの本は少ない。
きっと熱烈なファンが多いに違いない・・・わかる気はする。
今回は御手洗さんが踊る話・・・・もあるちょっと長めの短編集。
ううーむ、この大仕掛け、さすがである。
ミステリ読みとしてはそういうところにもっと着目しなければ
ならないのだが、それでもやっぱりトリックよりお話しが好きな
ワタシは、随所にちりばめられた御手洗さんの物の考え方や捉え方、
やたらめったらに詳しい専門知識、真面目な文体の中に放り込まれている
唐突なジョーク、おろおろする石岡さんなんかに目を奪われる。
だからが一番そそられたのは、やはり「近況報告」と題して綴られた、
御手洗さんと石岡さんの日々の非日常的生活であろう。

さて、次は水晶のピラミッドかな。

2002年05月02日(木)
★森博嗣。 『そして二人だけになった』

おお・・・・考えて見れば森作品は久しぶりぶり。
それには小さな訳がある。あれほど「犀川&萌絵シリーズ」にどっぷり
はまって読みまくっていたのだが、なぜか次の「Vシリーズ」には
乗れないのだ・・・・理由は・・・・理由は・・・・・
また次にしよう。

「そして二人だけになった」は、まったく雰囲気を異にする。
もしかして似たようなのがあったかも知れないが、忘れた(笑)←いつものこと
閉ざされた空間の中で、殺人がくり返し起きて、人数は減っていくというのは
目新しいものではないが、残されたのはたった二人なのだ。
うーむ・・・・トリックは完全にしてやられた。うっかりした。
結末はワタシ好みではないにしても。
だが個人的には、ストーリーのサイドにちりばめられている、勅使河原潤の
インタビューがとても印象的で、これがあるからこその森作品、という感じ。
そう、最初に犀川先生にノックアウトされたのも、こういう自分の常識の
外から責めてくるような不可思議な超理数系的発想(というのか?)だった。
そういうのが、とても楽しかったな。
2002年05月01日(水)
By ちゃいむ

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Edit by オレンジミルク。