家の近くの 古い工場の壁が ガラガラと倒れて ムスコ達を起こして 逃げようとする夢を見た
寝る直前に 引っ越しまでの段取りを 考えていたのに 夢の中では 着の身着のまま いつもの鞄だけを掴んで
それ程までに 自分の中で 性急さがあるのに 随分と諦めて 何かを待ち暮らすように 来てしまったものだ
選択肢がなかったことを 後悔するワケではないし 恩恵も十分受けて 何とか子ども達も大きくなった その間大切な家族の一員の 小さな命たちも見送った
今だって 大した選択肢はない 理想と現実の狭間で 折衝レベルを探っては もっとも大事な点を 優先しようと考える
すぐ先で また別の理想を 追いたくなるかもしれないが その時は それを前進と呼ぼう 壁は既に壊れたのだから
職場には これ以上にない って位 簡単な内職がやってきた
はい 障害者施設定番の 通称ポリちぎり と言われている お弁当用の醤油注しを 周辺のバリと 本体に分ける作業ですね
これまでにも何度か それをやってはどうかと 話しが持ち上がってはいたが ボリュームと納期と 検品負担のことなどから 見送られてきた
それで お試しでいただいた 大きな一袋を みんなでやってみたら これはハマる となり 出来るだけで構わない ってコトでとうとう導入
お仕事メンバーの中からも ひとりが進んで やってみたい となり どうやらこれで 永遠の不良品修正から 解放される予感
楽しいのは最初だけ って声もあるが これまで 作業には無縁だったひとが 自分にも出来る仕事がある という実感を 日々得られるのは大きい
何のために生まれてきたのか の利用者さんにも ただ暮らすだけの一日に 人生で初めての 工賃が貰える仕事が 加わったのだ
あぢい 暑くてダンスには 参加せず 見学だけで通した
腕肩はやはり 最低気温の上昇とともに あっけなく良くなった となると 首から来ている とかではないだろう絶対
その代わり 腰はたまにやばい こちらははっきり 神経に触っている と思われるような 足先までの痺れ
もっともここんとこ 一時過ぎに目覚めて そのまま起きている を繰り返しているので 当たり前なのだ ともかく稼働時間に比例して 悪くなるのだから
なので 連休後なんかは 本当に軽くスッキリ でもなあ 引っ越しとかブチ上げて ひたすら掃除と荷造り なんて出来るんだろうか
あ まだ決まってないんだった
でも 朝に夕に 通れるときは 貸家の前を通って お日様の位置とか 近所の様子とか見ている
そうかあ わたしにとって 移動ってのが 楽しみポイント大きいなら 旅行とか引っ越し企画を 常に練ってればいいのね
大家さんに連絡 今度の日曜日に 中を拝見の約束をした
下のコの心配は 楽器の練習をしても 大丈夫かどうか ギターとホイッスルと 夏にはフィドルまで 購入予定なのだ
上のコは また急だね と言いつつ 昼食時に家に帰るのが 息抜きにもなっているようで 会社から遠くなるのは 気が進まない様子
そんなそれぞれが あそこを見て どんな印象を受けるのか 家族みんなで経験する 初めての試みが もうそれだけでワクワク
実際 ここを動く と言う前提に立ったら わたしでさえ 今の不便で便利な点を いろいろと拾っては 億劫になる部分もある
そんなのを 客観するためにも きっと いい機会になるだろうな
昨夜は 上のコが帰るのを待って 外に出るつもりだったけど なんだか 会社で荒れていたらしい
最近ストレスが 溜まっているのを 本人から聞いてはいたが 意地になって作業をしている との情報に 残業なのかと さりげなくメールした
それに返事はなく 暫くして帰ってきてから 外出の誘いには乗って来ず 下のコとふたりで 初めてのお店を 二軒はしごしたのだが
楽しいと言っていた モノ作りが 組織の中のやりとりで 純粋に楽しめなくなっている のだろうとは思うけれど 気持ちをフィートバック出来れば 幾分楽になるはず
けれど 母親であるわたしが 事情を把握しているとばかりに 間に入ってしまうと それはそれで 息の抜きどころがなくなる そんな思いがあって 敢えて明るく声を掛けた
果たして彼は 今自分がしていることの 先まで見えているんだろうか 会社の事務所で交わされる 内部事情を何も知らずに ただ日々目の前の作業だけに 忙殺されているんじゃないか
なんだか いろんなコトが気になり 自分の家族の過去も重なり ヘンな酔い方をして おつりをもらったかどうかも 定かではなく お店の人に確認して 怪訝な顔をされてしまった
帰ると電気は消えて もう寝てるみたい と下のコも 心配して様子を覗ってくれた 明日にはまた 新たな光を 得てくれるといいけれど
どんな状況になっても 味方で居てあげなくては それだけが 心の中に やたら募った夜だった
家を見に行って来た
今日こそは縫う はずだったんだけど 不動産情報を見始めたら 気になるのがひとつあり どの辺だろうなと 自転車でぐるぐるしたら 突然見つかった
小さな庭付き一軒家 部屋数はたっぷり この家みたいに 長屋の横並びではないので 近所を気にせず 庭に出られそう
北側の窓を開けたら 夏はさぞかし 空気の通りがいいだろう 布団だって 洗濯物だって ちゃんとお日様に当てられる
問題は 通りから少し入っていて 前の道とも言えない道に 車がきちんと入れるのか 駐車場付きだけれど それが用をなすのか心配
連絡先の貼り紙を見つけ 余程電話しようかと思ったが 雨足がひどくなったので とりあえず帰ってきて その番号を調べると きちんとした大家さんのよう
もちろん 家賃は今より上がる それが果たしてどうなのか 何より無計画に こんな行動アリなのか 判らない
判らないけれど 引っ越し衝動が湧くたび 同じように調べて でも実際に 見てみようと思ったのは 初めてなのだ
まだ空いていたら 次の休みに 中を見せてもらおうっと
お酒専用の 冷蔵庫が欲しい と下のコ
美味しい日本酒も 管理が悪いと 台無しになってしまうので それはごもっともだし わたしとしては 食品保存用の冷凍庫も欲しい
がしかし この家ではすぐに ブレーカーが落ちるよね アンペアを上げてもらったら でもいつ二階が崩壊するか 判らないから それより前に引っ越しじゃね
なんて話しを 家族三人で 数珠つなぎにしていたら 引っ越しより先に車だ と上のコ おお それはいいね
そんで この家にある 粗大ゴミを 片っ端から運び出して スッキリしたとこを 見てみたい 立つにしても跡を濁さずだ
死ぬまでに 借景でいいから 好きに窓を開けて 緑の空気を呼び込める そんな家に住みたい 今日も緑が見たくて 公園で朝ごはんを食べたのだ
なるべく 望まないようにしていることは 他にもいろいろあるけれど もっと貪欲になるべきかな と急激に思うのだった
送りの車が一台 なかなか帰って来ない
と思ったら 途中で動かなくなった とのことで その後の送り便や 人員配置など 急遽変更して 凌いだワケなのだが
どうも 軽油の車に ハイオクを入れたらしく 帰りがけに セルフで給油して 少し走ったら 止まったそうな こわっ
っていうか 職員二人体制なので もうひとりは給油の間 何をしてたのかが ちょっとギモンだけれど 最後の送り便が出た後 施設に帰った職員ふたりは 鍵もなく待っていた
これは日常茶飯事で 何故鍵を持たないのか 甚だ不思議 無くす忘れる 誰かが残っているはず いつもそのどれかが 理由になっている
まあね 事故がなくて良かった と言うわたしに 事故の方が保険が出た って給油した本人 いやいやいや あなたがそれを言っては ダメでしょう
今夜はまた 長い会議になるのかな
魚でも見るか とスーパーに寄ったところ 見事な鯖が並んでいた
ゆっくりお風呂に入っても どんよりが抜けず だったので DHAパワーが必要と 飛び付いた
あえて しめ鯖用と銘打ってある ちょっとお高いその中から 一番大きいのを選び 袋に入れてレジへ
値札がなかったのだが 店員さんは迷わずピッ 出た数字は298円 思わずその瞬間頭の中で ファンファーレが鳴ったね
素直なわたしは もちろんそのまま るんるんしながら 言われた通りに 氷も貰って飛んで帰った
丁度起きていた下のコに 早速捌いてもらい 塩して一時間半 酢と昆布で一時間 絶妙のレア感で しめ鯖が出来上がった
多いかな と思った半身をぺろり やっぱり数ある魚料理の中で 間違いなく これが一番好きだー 勿論オサケは日本酒でね
養護学校で 生徒にやらせたい とのお話しで 先生四人に内職を教え 材料を渡した
数日経って こんな感じでどうか と持って来られたのは 大きさがバラバラの20個 見本を渡しているので せめてもう少し 揃えて欲しいと伝えた
さあて それを修正しなきゃと ひとつずつ中身を点検して 愕然とした 見かけの大きさどころか 教えたことのポイントが まるで伝わっていなかった
というか 各工程に対して 先生の目配りが 全くされていないのが歴然 名札をぶら下げて スーツを着たあの四人は いったい何の為に来たのか
同じことを何年もやっている うちのメンバーでさえ 気を緩められないのに 障害のある子供達に 初めてのことをやらせて 手元を見ていないばかりか 点検もせずに持ってくる その神経を疑う
そんな余分なやり取りで 涸れまくっている今週 利用者が平和なのが 何よりの救いだわ
近江上布についての 番組を見たら 俄然麻気分になった
その中で インにニットを着て 重ね着をすれば 通年着られるという セリフがあったし 巷でもそんな着方が なされているけれど
やはり 放熱性通気性に優れた 麻は 故あって夏の繊維 肌に直に触れて さらっと心地よく 風に吹かれて 翻ってナンボと思う
だから かっちりとした 着物のかたちより ゆったりとした服でこそ その良さを いっそう生かせるはず
未だに シボのある縮みを 上手に服にするのは 苦手だけれど 買い溜めた 麻の着物や反物が 頭の中に浮上する
近江よりも もっと極薄のや 珍しい柄の着物たちが 手招いている 夏の暑さにダレないうちに 辿り着かなきゃな
夜中に 携帯で起こされて その後なかなか 眠れなくなった
ようやく眠ると 久々に 記憶に残る夢 神社の灯りを消して ゆるやかな坂道を 下る場面が最後だった
その神社から 出発して戻る 初めてのヘルパーの仕事を ギリギリの時間で終え ソツないプロとは言えないが 何とか恰好は付いたので ホっとした
たまに訪れる わたし達の為に 点いていたろう明かりを そのままにして 帰りかけて どうすべきか一瞬迷った
恐らく 近隣の住民には 暗闇でも判るくらいに その神社の在り処は 明らかだろうと思い 消して歩き出した
目覚めてからの方が 却って不安になるような 象徴的なシーンだったが 夢の中では 確信に満ちて 歩いていたのだった
これは単純に 尽くいちど来た道 だってことを 確認したのだろうかな 心に喰い込む夢が いつまでも消えない
午後の内職時間中 貰った工賃を 自由に使いたいと 訴える話しに付き合った
一か月頑張った 自分の成果を 未成年じゃあるまいし どうして親に 渡さなきゃなのか って言うのは まともな論理に思えるが
それなら普段 一日に何本も飲む ジュース代とか 夜食に買う弁当代とか 遊びに行く度に 親から引っ張るお金は どうなのか
思い通りにならないと わめく暴れるの大騒ぎ 工賃だけで小遣いが済めば とっくに親御さんも そうしているはず と諭すも 聞く耳を持たない
要するに 目の前にお金が ぶら下がっているから 何とかそれを持って 遊びに行きたいので わたしから親に助言しろ ってワケだ
そうやって さんざ時間を奪い 無理だと判っても 結局は帰宅してすぐに 金額を確認する傍から さあっとお札を持って 出て行ってしまった
玄関脇の壁には こぶし大の穴が ぽっかりと空いていた なんだかそれが 終わりのないこの子育てを 象徴するようで 妙に痛々しく見えたのだった
感じの悪い 上から社長の内職先から 工賃を取りに来い の連絡があったと聞いて 伺った昨日
事務所に入って 応対用に開いていた 窓越しに声を掛けると 奥の机に座っていた女性が 入ってください と言う
恐らくそれは あの社長の奥さん と思われる 年齢感だったのだが 座ったそのままの状態で はい と小切手を出された
社長ばかりかこいつもだ 足でも悪いのか 聞いてあげれば良かったな 明らかに見下げた様子に もういらんわ って言いたい気持ちだった
その後 如何にあの内職を 断るか考えつつ ちりちりしたのだが そうか利用者と思えばいい と気付いたら とたんに楽になった
当たり前の行動を 期待するからいけないのだ どうしてそうなのか 驚く事例に さんざ鍛えられているのだから 今更何に悩まされることもない
良くも悪くも 期待のハードルを下げるのは 簡単なことなのだった
そのまま 一日を終えるのが惜しく 丈が足りない袖に 表裏の生地を 互い違いに縫い繋いだ昨夜
それでいちどは 眠りについたものの 裏地のある仕立ての縫い方が どこかに載っていたのが 気になって 起き出して確認
それは 表裏の袖先を 手を繋いだように 先に縫ってしまい 両方の袖下から脇縫いまで 一気に終わらせる というもの
リバーシブルのときも 裏地付きのときも 後から袖先で 丈合わせをするのが すごく大変だったのだけど これならいいのかな
と思案し始めて そもそも 袖下から脇までを 続けて縫える形ではない と気付いて 安心して寝直した
その方法を取るには 各部の丈が 本当にきちんとしていないと ダメなのだが 柔らかい生地は 縫っている先で 微妙にズレて来る
未だビビりなので 試すのが怖いまま だけど 紬の生地なんかで いつかトライしてみよう
休みの今日も 縫えるかな と思っていたけれど 用事をあれこれこなすうち あっという間の夕方
下のコは何やら バイト先の人が 予約してくれたと言う 美容室に出掛け 変身して帰って来た
オマカセの仕上がりは シャギーな感じで 天パーの遊びが 生かされてはいたが どう見てもフェミニン
うーん どうなのか 連れて行ってくれた人は 代金まで持ってくれて 可愛いじゃん と満足気だったらしいけど イマドキ過ぎて馴染めない
で その髪型で 縫い上がった 羽織ものを着て 一緒に買い物に出た ワケなんだけど
そんな恰好 まずこの田舎で 見たことがないし 目立つので 気になって仕方がない
かといって 都会に居るかってーと そうでもないんだが まあいいか ともかく 唯一のひとであれば
ひっさびさの服が 縫いあがったよ
って まだ12日じゃないけど どうしても書きたくて でもエンピツは 同日に一本しか アップできないので失礼
結局 二センチ長く の袖は それじゃ全然足りなくて 縫い代ギリギリまで使って 黒の薄絹を袖裏にして 何とかなった
着物を選んだ当のムスコは わたしだったら化繊はナシ だけど 如何に自分のチョイスが 良かったかを確認し 満足満足のご様子だった
はーヤレヤレ 途中ロックミシンの糸が切れ 針に糸を通すのが もうどうにも無理で 以前母が送ってくれた 手芸用のルーペが大活躍
着物の良さを残しつつ 襟元のドレープが まさにわたし好み この感じが好きすぎて 似たようなラインのニットを 昨秋冬は二着購入してしまった
胸周りは かるーく100センチ超えで わたしでも楽に羽織れる でもそれを スリムな下のコが着ると これまた意外に格好いい
袖丈が唯一の難点だが これから ユニセックスな服を 沢山作って行きたい気がする 途中から真っ直ぐのラインなら 丈を詰めるにも 苦労はいらないはず
たった一着の着物それぞれを より多くの人の 選択肢に掛かるように 時代と逆行した ゆったりラインで行けば 売れ残っても 自分で着る楽しみがある
さあて
オサケを飲みながら ムスコ達が不在の夕食を 捻り出すとするかな ああシアワセ 幸せ過ぎて 全世界を 抱きしめたい気分だわ
再々配達でようやく 連休に買った 堂本正樹さんの 陶器を受け取った
ふんわりとした奥様と 会話を交わしながら 選んで行ったら 本当は手で持って帰る つもりだったのが 到底無理な量になり 着払いでお願いしていた
なのに 集金はなく 元払いして下さったのを 嬉しく思いながら 丁寧に包まれた ひとつずつを開けて行くと 覚えのない皿が出て来た
えええ
まさかのプレゼント しかも五枚だ 電車とバスを乗り継いで 出掛けたわたしを 労ってくれたのだろうか それにしてもこんなに
全てを広げて並べて 使わなければウソだな としみじみ思ったら 早朝帰った下のコが 貰って来たネタを 薄造りにし始めた
既に洗って仕舞ってあった 緑菁オーバル皿は ヒラメや鯛の切り身から ガラスみたいな 釉薬のたまりが透けて 緑のツマがなくても それはそれは美しい
まるで かつて生きていた魚の 刻々変わる今の一瞬が 大切に切り取られた 細密画のようで 上手く使えるかの心配は 見事に吹っ飛んだ
これに惚れて 本当に良かったな
縫うことの続きを 考えるだけで わくわくする
かつての 縫わなきゃ って思いには 大抵苦痛も込みだったので この変化はいったい どうしたことだろうか
決まっていない いつかの期限に向かって かつて試した あらゆる細部の集積から ごく簡単な 作り方の組み合わせで行く
無理ができない からこそ 至った選択なのだが それで得られた 膨らむような感覚に きっとこれが 等身大なのだろうと知る
とりあえず ではなく 本当に作りたい という 心底の欲求を 失わないように バランスしながら行こう
行く先は 決まっていても 常にそこには自分次第の 自由な余白が必要だから 迷った時はまた ややこしいロジックで 確認し直そう
途中まで縫った 夏用の羽織ものを ムスコに試着してもらうと
かなり余裕を持たせた つもりの袖が 拘りの長さには足らず あと二センチとなった
縫い代を 多めにとっておいたので それは何とかなるが まだ縫っていない 裏表の柔らかい絹の方は 繋ぐ必要がある
おまけに 夏用は化繊の絽風で 張りのある生地なので 同じ仕立てでは 襟元が重くなると判断
なので襟廻りの生地幅を 半分にして ボリュームを抑える提案には すんなり納得し これは二万で売れるな と嬉しそうだった
次いで ネットでも服を買う と言うので各部を採寸 突然目覚めたみたいだが バイト先で皆と 出掛ける機会が増えたせいで 恰好が気になってきたらしい
この分じゃ また貯金は遠くなるだろうけど 今はきっと彼の中で ぐんぐん緑が育つみたいに 明るく楽しい季節なのだ
連休前の夜に もろもろ絡めて 祝宴があった 休み明けの仕事は その後片づけからとなった
玄関を開けると 既に異臭が漂い 台所に入って茫然となり いったい参加者の中に きちんとヤレる職員は いなかったのだろうかと 訝しんだが
どうやら僅かな人材は 宴の途中で 帰ってしまっていたらしく いつもやってくれるひと がいないと 結局誰もやらない ってコトみたいで
腹を立てつつも 先に休みを貰っていたし せめてこういうことで 存在意義があるんじゃね と自分を宥め 利用者か と言う 当の利用者の声を浴びつつ
はあ いろいろと トラップはあるもんだ これからまた 気を取り直して行けるかな なんだか 一日千秋の思いが 日に日に強くなってくる
ようやく ミシンの前に 座ることが出来た
もっとも予定では 連休中に縫い上げる つもりだったのだが いざとなったら黒糸がなく 下のコと買いに出る時点で 長くなるのを覚悟した
夜になって 昨年父親から買ってもらった シャツのボタンを直して と言われたことを思い出し フック状に引っ掛ける 変わったかたちのそれを 金槌で叩いていたら
金具の強さに生地が負けて 切れかかっているのに気づき どうやって直そうかと しばし愕然としたが 切れている端をかがっては 金具に巻き付ける 力技で何とかなった
その前には 縫わずに寝てしまおう と思っていたのに それで勢いが付いて 長らく休眠中の愛機を ようやく稼働させたワケだ
こんなにほったらかし だったにも係わらず オイル注しなしで 糸調節さえもいらず すいーっと動いてくれて こいつにして良かった としみじみ確認
これからまた ヨロシク頼むね
ひとつだけ欠けていた 指輪物語の 特別編集版を 上のコが購入し コンプリートとなった
トールキンが 物語を書き上げたのは 62歳の時で それまでに ふたつの言語体系を 文字も含めて 構築していた
もちろん 登場人物各々の系譜や 何故今があるのかの 歴史的背景など 気が遠くなるような 準備の積み重ねは 他に類を見ない
だからこそ この世のどこかに 中つ国があるかもしれない と思わせる リアリティに繋がっている ワケなのだが
映画の撮影に際して どういう装束を纏わせるか の裏話にも 一民族の文化的背景までが 浮かび上がるように考案した とあった
表に顕れた ほんの僅かなシーンでさえ そんな下地があればこそ トリッキーな印象だけではない 何かを感じ取ることが 出来るのだろう
努力は裏切らない 布に向かっていると まるでマントラのように その言葉が浮かんできて 意味を図りかねていたのだが 行き着くべき先は きっとそういう所なのだ
地元の情報誌を見ては この辺りでは 手に入り難い材料を 使った似たメニューが 別々の店で同時期に 推されているのが 不思議だった
ムスコの バイト先での仕入れや 近辺の居酒屋事情などを 聞くにつれ 恐らく同じ業者が 卸しで出入りしている 確率が高いと思われ
如何にも ここだけって感じで オリジナリティを 出そうとしているのに 狭い田舎で カブってしまうのは そういう背景があるようだ
例えば お造りにしても 独りで切り盛りしている 小さなお店でさえ そこそこ種類が揃うので メニューを増やすには 手軽なのだろうと思う
なるほどなあ
昨日はまた 生ホタルイカが安かったので 沖漬けを仕込んでみたが どこで食べても 味が濃すぎるので 出汁を効かせて 薄味にしてみた
それで美味しければ 小さな一品になるかな なんて考えつつ いつか来る日の為に うちだけのオリジナル を探究するのが 楽しくて仕方がない
美術館の 展示を見た後 思いがけなく見つけた モリスのカードブックが この旅の象徴になった
どこを切りとっても 刺激に溢れる街のなかで 自分がどんなコンセプトで 動いて何を見るのか ただの観光ではない 絞り込んだ故の収穫
自分の価値観を そこに投影することで ちゃあんとこうして 表側の目的にはなかった 大好きなものに出合える
あれもこれも ではなく 判っていて 敢えて捨てる のは勇気が要るけれど 選択したそのことで ようやく世界は厚みを増す
沢山の荷物は持てないから 何を持って帰るのか そうやって淘汰されたものは 恐らく今必要がなくて 本当に必要なものは きっとチャンスがやって来る
それだけのことを 心と身体に刻み付けて 今日からまた 揺るがずに歩んで行こう
初めての 土地は楽しい
過去の台風で 線路が復旧せず 代行バスに揺られ 残った桜と 山ツツジを眺めながら
沿道に並ぶ沢山の 大小狸がお出迎え こんなにも陶芸の地 とは思わなかった信楽
着く前には いろいろ考えていたけど 好きな作家さんの ブースを見たら 他はどうでもよくなった
さあて どうしようかな
いやー もうやばいっす
京都で美術館を ふたつ見て ミシュラン店で お久しぶりの友人と 中華ランチして 我慢していた珈琲で いっぱいおしゃべり
歩きも歩いたが ほど良い疲れ お惣菜を買い込んで お風呂より先に ホテルの部屋で ひとり飲み会
昨日もキツかったな でも 利用者と一緒でなければ 羽が生えたみたいに 軽く自由になれる
鯖寿司に枝豆に 牛すじコンニャクに 筍のきんびら 生麩の揚げ煮 昼間暑かったので ビールの旨いこと
こんな極楽を 感じられるのも キツイ思いのお陰 なんだけどさ
早いな あっという間 だったな四月 最低気温も 大分上がってきた
里山は もこもこと 緑が盛り上がり 針葉樹のモスグリーンと くっきりした コントラストを見せている
先日 神武山裾で 突然がさがさと現われた 縞の蛇に驚いたが もう動くモノは 絶賛活動中なのだ
こうなると 怖くて山には 入る気がしないので 来年の春こそは もっと大事にしよう なんて思う
これから 暑くて活動力が落ちる 夏までの僅かな間 そんな後悔をしないように 充実した日々にしたい
縫い物と リフォームの続きを進めて 年末には こんなに頑張った と思えるように
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