あまりの自転車日和に 子ども達とお出かけ 古本屋などを数件廻り ソフトクリームを食べ わらび餅とハンバーガーを買って 河原へ行き 菜の花とからし菜を摘んできた
もう感謝祭まで日がないのに 一向に進まないリメイク服 その代わり ボタン作りから火がついて 小物のアイデアばかりが湧いてくる 帰ってからさてミシンと思ったのに 上のコが図書館へ行くと言うので 一緒について行き すぐ近くの神武山へひとりで登った
桜の蕾はまだ固く それでも花見用のぼんぼりが吊るされ 辺りも綺麗に整備されてしまい 目的の桜の枝を探すのに苦労した それで小さな箒みたいのが作りたいのだけれど 乾燥しすぎて簡単に折れてはダメだし いかにも桜の木って感じのが欲しい
木の裏側に廻り 崖から身を乗り出して枝を拾っていたら 大きなどんぐりの殻が割れて 中から赤い実が覗き その先がしっかりと 桜の根元の苔にしがみついているのを発見 触ってみると手ごたえがあったから そうやって根付いていくのだと感動 思わず後からやってきたムスコを呼んだ
近くには他にも 積み重なった枯れ葉に阻まれて ただ実を晒しただけのどんぐりが沢山 それはまるで 思いついては試作に留まる アイデアの残骸みたいだけれど これから ふとした自然の計らいで 根付くことができるかもしれない
手にすれば ぱりぱりと音を立てて崩れそうに 堅い殻はもろくなっていた 一面くすんだ色の中にあって 露出した実の赤は どきりとするくらい 命に満ちていた
春に向けてコウノピアの体勢は 説明員を増やすそうで いちど辞めた人も復活し 研修にやってきたりしている まだ市の人事は発表されておらず いつものことだけれど ぎりぎりになっての異動に 何か意味があるのかと思う
昨日館長と今後の話しなぞを少し 観光協会の事務局長が 辞職するというので 尚更先行き不透明になってきた売り場 年内中には新しい建物が建つというのに そこに入れるのかどうかも 解らない状態なのだった
3月いっぱいで辞めるつもりだったのだが 協会がそんなではとても言い出せず という話しをすると 建物が出来た後も続けられるのかと聞かれたので 居られる限りはやらせてもらうと答えた 本当はこんな宙ぶらりんな状態が 何より我慢できなかったのに もうすっかりゆだねる覚悟はできている
それとともに 自分がやっていることを どうにか売り場に重ねたいという思いが ふつふつと再燃している 全ては無理でも この豊岡に来るきっかけになった 最初の頃目指していたことに もう一度トライしてみたいのだ
もし続けることができたら そこにはもっと強力なモチベーションが欲しい わたし自身がそこで何をしたいのかが 今になって見えてきた いろんな条件が揃って ようやく成立することにしろ 最初になければならないのは 揺るぎない意志なのだと思う
そこに熱が加われば加わるほど 実現しなかった時の失望は大きい そんなことを繰り返して けれどその時々学ぶことがあり また新たに立ち上がってきた 本当に何が自分にとっていいのかなんて この時点では解らないことばかり
だからもういちど 熱を持とう わたしが好きなものを 屈折なく表現できるように 望みを繋いで行こう
めいっぱい仕事して帰ったら オークションで落としたボタンが 到着していた 荷解きは友人と一緒にと迷ったが 中身が無事かともかく確認と思い どきどきしながら開けたのだった
もう本当に小さな小さな 手貼りの紙箱に収まって 6つ並んだ小さなボタン 大きさは15mmよりももう少し小さく それだけに手描きの線は 毛先ほども細い とても人間技とは思えないのだった
ひとつひとつ微妙に違う 色の強弱や線の入り方には 明らかにいつかどこかで生きていた 人間そのものの仕事があらわれていて それは当たり前だけれど 復刻版の印象とは違う なんてやわらかく優しいのだろう
入札するときは どう使おうかなんて考えてたのに 圧倒的な現物を前に ただ眺めているだけで ほんわり包まれて幸せになる 海外にコレクターがいるというのも ナルホドと納得の力なのだった
実は復刻版以外に この薩摩ボタンを 手仕事で甦らせようとしている人がいる 思わず嬉しくて 彼女のブログにエールを送ってしまった どんなに効率が悪くても そこに生きているひとの表現がある そういう仕事にやっぱり惹かれてしまう
復刻版から本物まで見たところで なんだか完結してしまった感もあるボタン熱 早速画像をブログへと思ったら バッテリーが切れたままだった うーんどうもデジカメは いつまで経っても手につかない
朝になって 随分身体が軽くなり 出石での講演会に出かけた 人が集まらないのではと 心配する友人の縁だったのだが 会場はいっぱいで とても雰囲気のいい集まりだった
その流れで 知人宅を訪問することになり 初めて見る風景に興奮し 出石高校の前を抜け 川の水音を聞きながら 奥へと上がって行った どこにも雪の名残りはなく 道縁には緑が芽吹き始めていた
そうして通り過ぎようとした脇に 吸い込まれるような空間が開いていて 太い一本の木があった 深い色の苔に被われた幹は とてもふくよかで まるで異次元から現れたようだった 奥には神社があって その木にはしめ飾りにあるような折りの 白い紙が下げられていた
ご神木 昔よく行っていた神社にも 太い銀杏の木があって 雄々しく延びたあたたかな幹に 訪れるたびに触れていた けれどこの木には 何かもっと違う雰囲気があって それが辺り一帯にも漂っているようなのだ
帰って来て調べると それは樹齢1000年を重ねる 石部神社のけやきだった 幹周7.8m樹高30m 兵庫の巨木100選によると 樹齢400年でもっと太いけやきもあるから 年月と大きさは 単純に比例するものではないようだ
よく屋久杉からパワーをもらうなんて 話しには聞いていたけれど 千年そこに立っている木の存在感は ちらと通り過ぎただけで 圧倒的に人を惹き付けてしまう 気の遠くなるような年月を 過ごしてきたそれは 確かに生きているものの気配だったのだ
200年前の大火には 突然社に降った雨で焼失を免れたという 千年の間には そんな不思議が沢山重なって ただひたすらそこにいたけやき そして いくつもの不思議が重なった 大切なひとの縁で わたしもけやきの前に立っていた
寝ても覚めても身体が痛く 夕べはなにやら 唸っていたらしい 小さい頃具合の悪い時の夢は決まって 周囲の空間がぐにゃぐにゃと 変形するだけだったけれど 大人になってからはもう見ない
その代わりの夢は どこかの真新しい寮にいて 人気のない深夜の廊下を 自分が行くべき部屋の番号を 必死に思い出そうとしながら 何の手掛かりも見つけられずに 彷徨っているのだった
或いは 夢の中の恋人に連れられて 初めてその人の家へ行く なのに 何のトキメキもなく そこから新しい事が始まる予感もない ただそういう場所 という事実だけがある
或いは 両親と子ども達と どこかへ引っ越して 初めて迎える夜に すやすやと眠る やつらの寝顔を見てほっとし なのに落ち着き所のない 自分を感じている
そうして最後に 自分の身体が今眠っている 細長い家の中の 雑多なモノに埋もれた空間を 強く求めながら戻ってきたのだった
いやー 夜遊びが利いたのか ノドは痛いし悪寒はするわで 今日はひたすら寝てた っていうかこの頃 ボタン作りと名刺作りで テンション上がりっぱなし いつかバタッと来そうな気はしてた
おまけにおととい オークションにて一世一代の大勝負に挑み コーフンはピークに達していた あまりに熱しすぎて すぐには日記が書けないほどだった だってそれを見つけてから5日間じっと見守り いったいいくらまでなら出せるのか 考えながらひたすら最終日を待っていたのだ
途中ネットに繋がらなくなった日もあり 入札に参加すらできないかもとハラハラ 終了3時間前にログインしたときは 心底ほっとして 目的のブツふたつが 800円スタートから3千円台と千円台に また少しだけ値を上げているのを確認 実はそれまでに友人から応援を得て 資料としてもぜひ手に入れるべき との結論に達していた
狙っている数人は必ず両方に入札していて 一時間前には5千円台になった 数分の時間差があるふたつの画面を見ながら これはひょっとすると とんでもなく高値になる予感に 電話で話し合いながらの入札となった まずは20分を切ったところで 軽いジャブの6500円 それはいともあっさり交わされ 競っている相手はこの価値を知っている という感触にドキドキが高まった
残り時間を見ながら 延長にならない間に決めたいと 12000円を入れた けれど12500円をつけられ延長 もうこちらが入れるとしたら 友人と決めた最後の上限15000円しかない それを入れて出た金額は14000円 再延長のカウントダウンを 祈るように見つめたのだった
ブツは最初から 美しい陶器のボタンとしか出ていなかった 小箱に詰められた6個セットのそれは 花びらに施された薄い彩色の中にも きちんと貫入のあるのが見て取れた 図案は金で輪郭が描かれ 6個を比べてみると微妙に線が違っていて 確実に手描きによるものと思われた
どこでどう作られたのか 復刻版以外に今製造されているものはない 出品者は他にも 西洋アンティーク品ばかり出していたから 昔作られて輸出された薩摩ボタンの 逆輸入品なのかもしれなかった これがダメでも きっと手元に来るものは来るはずと 最後は諦めにも似た気持ちになった
そうして結果はそのまま落札 先に終了したあやめ柄25入札に続いて 人気があると予測していた桜柄22入札も 同じ金額で落とすことができた 実は刺激するのが怖くて 大きさは如何ほどか質問することも控えたのだが 仮に15mmとして 復刻版ですらひとつ2千円以上だから よくこれで収まったものだと思う
まさかこんな風に自分のものが のちの世で競われるなんて 作った人は考えもしなかったろう だからこそもの作りは素敵だ わたしたちの身体が 土に還った後もずうっと 人の手を介して生き続ける このボタンを励みに 一層の精進を誓うのだった
今日はお子様サービスをしようと 帰宅途中に電話を掛けた 家に着いて着替えをしながら どこでご飯を食べるかの相談 モメたままのチャリンコ出動で 結局お楽しみ込みの カラオケ企画となった
お店はびっくりする程空いていて これは昨年新しくできた 安い仕組みがいろいろあるお店の方へ 客が流れたのかと余計な勘繰り ぞれぞれ好きなものを注文した 頼んだエビフライカレーは辛すぎ 明太子スパゲティは獣の臭いがし 食事とカラオケは分けるべしと 早くも結論づけたのだった
それはともかく 子ども達の選曲は やたらに歌詞が多くて早いものばかりで こういう時自分のオバサン具合を感じる 誰の曲かと聞いても 全くぴんと来ないこともしばしばで ふたりはノリノリで声を張り上げているのに なんだか置いてかれた気分を味わうのだ
以前そんな風に聞かされた中で 好きになった曲があり 歌わないのかと思って探していたら ちょうど下のコがリクエスト 何かと言えばポルノのアゲハ蝶 これは本当に歌詞がすごすぎて 何度聴いてもうならされる
喜びとしてのイエロー だよ 憂いを帯びたブルー なのよ 書けないよ普通 ひとひらの言の葉に込めた なんてのもあるように ただポエティとしてならまだしも そこに曲が乗っかってるというのが まったく人間業とは思えない
加えて活舌のいいヴォーカルは きちんと端まで言葉を届けようとしている メロディラインに頼って 何歌ってんだかわかんない ぐにゃぐにゃバンドとは違うのだ これは時流のせいなのだろうか さらには上のコの歌う カルマや天体観測を聞きながら 伝えるためにある歌ってものを 改めて意識させられるのだった
ようやく名刺を作ろうって気になった もうイメージははっきりしていて 着物リメイクの小さな文字の下に わをんと入れて ブランクの後に住所とURL 右側は余白を大きく取って そこに切手みたいに切った和布を貼る
繰り抜いた紙の一部に 後ろ側から貼ることも考えたけれど もらった相手に指先で 紙の上に乗った僅かな布の厚みを 感じて欲しいと思った 細かいところは実際に試してから また考えるとして 字を入れたサンプル作りを 強力な助っ人いっちゃんに頼んだ
これまで ネットの中はともかく 何かをするときに わをんの名前を出すことに どうしても引っ掛かりがあった それは何を柱にして行くのか イロケが沢山ありすぎて 熱くなった傍からまた冷める自分が どうも信じられなかったせい
けれど 今のこの状態 リメイクを中心に据えて 熱を帯びている自分を 間違いないと思えるようになった これでようやく 誰かに伝えるときも 解りやすくシンプルに 眼に残るような表現ができる
これまで買い込んだ いろんな材料達も ちゃんとリメイクがらみで 生かしてあげたい ともかく数多く服を作ろうと 思っていたこれまでから ちょっと視点が変わってきたこの頃 何かに急きたてられているような気分が いつの間にか消えてしまった
今日のうぶだし着物は わざわざ雪の中を 市外から運んでくれたもの 母や叔母からもらったけれど わたしも着ないし 遺して子ども達が処分に困らないように と言うことだった
どれもきちんとたとう紙にくるまれて 気軽に着られるウールのアンサンブルや 夏の浴衣や錦紗の襦袢 質の良い綸子の羽織や袷など 袖口や裾が擦り切れるほど 気に入って着られていたものあり 長期間眠り過ぎて 裏が茶変しているものもあった
そのまま着るには どれも無理があるので 素材用に廻してしまうのに迷いはない けれど中には 状態はともかく どう使ったらいいのか解らないような 難しい色柄のものもある
ある程度人の手に渡る努力をしたあとで もしそんなのが残ってしまったら 小さく切り刻む前に 裂き織りに廻せたらいいな 以前チャレンジして 結局挫折したままだけど やっぱり 古着物を使う環の 最後を繋ぐ方法のような気がしている
きちんと流れていく先が そうやって整ったら 折角いただいた着物が また長期間眠ってしまうこともなくなる もちろん 既に裂き織りをしている所を探して 送るという手もあるが その前にもう少ししっかりしたリンクを 意識して待ちたいと思う
ようやく昨日は 校長室にて卒業証書を受け取り 本人はともかく わたしの方は心底ほっとした がその一方で 新たな道への準備もあって 心配の種はつきないのだが 今日は水漏れを発見してしまった
漏れているという指摘は 先月の検針の折にあって 市の指定業者を市役所で聞き いちど見てもらったのだが 結局場所は特定できなかった こんな時代になっても 水漏れに関しては 感知する機械がある訳ではなく 人の耳に頼るしかないというのだった
随分前から なんだか水道代が高い気がしていたが 特に水漏れとは思わなかった 仕方がないので 夜間は元栓を閉め 少しでも節約をと心掛けた けれどそれも 疲れてそのまま眠ってしまい 忘れることもしばしばだった
夕べもまた テレビもつけっぱなしでゴロ寝し 明け方になって眼が覚めた もそもそとトイレに行くと なんだか聞きなれない音がするので もしやこれはと発信源を探した 悲しいかなそれは トイレ脇の壁の中からなのだった
見つかったという安堵感と 果たしていくら掛かるだろうという不安 まともに不動産屋を通していないから こういう時にややこしい 一応大家さんに連絡して 業者から見積もりを取って でもたぶん全額は見てもらえないだろうな
そして何より 家の中に誰かが入るという事に なんだかとても抵抗がある これは他に大人の家族が 同居していた頃には感じなかった 例え対応するのがわたしであっても 自分ひとりで守っているのではない という根っこからの安心感があった
そんな当たり前のことに気付けるのも 今の生活があるお陰だ ともかく シューシューがもっと大きくならないうちに 何とかしなきゃいけない
なんだか飛ぶように過ぎるこの頃 ヤフオクで落としたトルソーは 古い飴色の和紙貼りで レトロな雰囲気たっぷりだった そして本当は こっちが目的だったはずの 古い炭火アイロンも届き これがまた汽車ぽっぽみたいで可愛い
んでさらには 小さなコテアイロンも落とし それが30Wと60Wの切り替えつきで 細かいものにあてるには とっても便利で小電力ときてる どれもいくらか乗っけて売れるぐらいの 超安値で落としたので それがまた大満足なのだった
もうこれでディスプレイの準備はおっけーと 製作に入るはずだったのに ふと以前から預かっていた 縮緬に手描きの絵が入った小物を思い出し それに新たに値札を付け直した 友人のバッグやブックカバーなど 小さな着物のハギレを使う技もすごいが 絵を加えることで また新たなリメイクの世界が広がっている
わたし自身 以前はバッグやスカーフも作っていたのに いつの間にか服だけになってしまって ハギレはそのうちと思いながら なかなか手が回らずにいた 着物を余さず使うということを 自分ひとりの中でまずできなきゃなーと つらつら反省したのだった
するとむくむくと意欲が湧き 去年帰省の時に買ったままだった ボタンセットを思い出し ふっくらさせるために工夫を凝らして ハギレを集めて始めたら これがもう面白くて止らなくなった 一気に買った2セットを終え もっと作りたくて買いに走り それも終わってまだもの足りない
大量に作りたいけれど 材料が高くてはと 改めてネットサーフィン すっごく安いショップを見つけ カートに入れた所でふとヤフオクを思い出し びっくりの超安値を発見 しかも100個入り 飽きるほど作れるし追加もできる
これで 裂けてボロボロの生地もいい所取りできるし 衿の中に入れてあった 小さなハギレなんかも使える たくさんたくさん並んだのを 眺めているだけで もう本当にシアワセなのだけれど さて いくらで売ろうか
いやー 絶対に今週は 丸々潰れるだろうと思っていたのに あっけなく終わった申告 春風に吹かれて るんるんで税務署へ出してきた
でも本当は 現金出納帳につけるべき内容を ぼろぼろ落としていて それらは別個に表を作って済ませたりと かなりいい加減 どうせ複式簿記の正式な方法ではないので 数字さえきっちり押さえてあればいいかと 勝手に解釈しているのだった
取っておいた領収書やら ネットバンクの足跡をプリントアウトし ひとつずつ書き写して 次第に明らかになっていく収支の内訳 収入の金額はもう所得を出す前から 各種控除を足したよりもはるかに低いのだが 問題は国民健康保険税の 基礎控除に収まるかどうか
要するに 収入から必要経費を引き そこから青色申告特別控除を引いた分が そのまま保険税の対象となり 所得税に採用される扶養控除なんかは関係ない 国保の基礎控除はたったの33万円なので うっかりオーバーすると そのオーバーした分と同じくらいの 保険料が請求されてびっくりするのだ
開業届けを出した年 指導してくれた税理士さんからは そんなアドバイスはまるでなかった 向こうの仕事の範囲外と言ってはそれまでだが こちらとすれば 生活の全ての事が申告に掛かっている もしそういう仕組みがきちんと解っていたら もっと細かく徹底的に経費を計上したのにと 痛い経験をさせてもらった
いったい 当たり前の生活をして 払うべきものをきちんと払って行くには どれ位稼いだらいいんだろうなあ まして老後のビジョンなんて まるで持ちようがない最下層のわたしは 生涯現役で日銭を稼ぐ方法を 真面目に考えなきゃいけない
情報誌を見て連絡いただいたお宅に 古着物を取りに覗った 出掛ける予定があるそうなので 朝からの訪問となったが 箱に詰まった着物を前に お話はいつまでもとまらない
捨てることができないままだった着物は 業者からお話しがあっても断わり 知り合いにあげるのも迷惑かと ゴミの有料化を前に それでもいくつかは処分されたそう もう少し早かったらの言葉に 台風のあと随分沈静化していた 着物を救わなきゃの気持ちが 再びふつふつと湧き上がってきた
ご縁がなかったものは仕方がないけれど 今度の感謝祭では 着物を解いて服を作るということを もっと沢山の人に知ってもらいたい そうして箪笥の中の着物を もういちど手にして 記憶に埋まったあれこれに 光を当てて欲しいと思う
着物にまつわるあれこれは 業者がお金を払っても渡せないくらい 大切なものなのだろう なのに 初めて会ったわたし達に 惜しげもなく提供してくれる それはひとえに 大事に使ってくれる人がいるならとの 有難い思いからなのだった
湯のしをした綸子の小紋や ウールの羽織 用意したまま使わずとってあったという お宮参り用の子どもの着物 浴衣や同裏など 未使用の生地もあった どれも綺麗で きちんと仕舞われていたことが覗える
わたし達にとっては当たり前の 解いて洗って縫う過程も 具体的に解りやすく展示するという 友人からのアイデアをもとに 縫うという雰囲気も込みで ディスプレイに工夫を凝らしてみたい 話し合っていると イメージがどんどん膨らんで やることも増えてくる
無理のない範囲でと 改めて確認しつつ 展示用の古いトルソーも ヤフオクで落としたし 気分は次第に盛り上がってくるのだった
なあんかいい こんなにスッキリして 売り場にいられたことは かつてないぐらい だからって毎日出ようとは思わないし 相変わらず鬼のように 5時には締めるのだが
ぎゅうっと凝縮された一日は 製作が快調に進んでいるときと 同じくらい充実している まあ問題は その両方が同時進行しないことだけれど まず申告が待っている 終わったらまたばりばりやるぞー
そうそう 今日は展示会のお客さんが またあの時見て 気になったものがあると売り場にやってきた 次はいつするのかと催促されるも こうのとり感謝祭は服と着物だけなので 興味の範囲が違いすぎ ちょっと宣伝するのは遠慮した
疲れてがーっと寝て 夜中に起き出して ディスプレイのことを考えているうち ヤフオクで落としたいものを発見 そもそも 一昨年リメイク服を出品してから 参考に眺めるだけだったから いざ購入しようと思っても どういう仕組みだったかすら忘れている
その時作ったヤフーのメールボックスも 久々に覗いてみた そこには大量のネットバンクからのメールがあり 心当たりのない振込みを発見 稼いだときに先々の家賃をと思い 多めに預金していたのだが 残金を見ても気付かなかった どうりで多いはずで 一月の終わりの入金は たぶん遅れた子ども達へのお年玉だ
さっき下のコと 新しいソフトの話をしていて 買ったばかりと諌めたのだが これを知ったら狂喜乱舞するだろうな 上のコはたぶんそのまま貯金だ よかったねと思う一方で ちょっとフクザツな気分 また稼いで入金しておかなきゃだし
寝不足と二日酔いのぼーとした状態で テレビを見ていたら バカの壁の養老さんが出ていた
会社を辞めたいという相談に どう答えるかの話で 10年やってきたんだから もう少しやってみれば と 10年やったんだったら もういいじゃない の二通りがあると言っていた
ボクなら辞める方だそうで その辞めたあとどうするかってことを 辞める前に考えても仕方がないと 何故なら 辞めていない今と 辞めた後では 見えることが違って来るはずだからと
正しい言い回しがどうだったか なんだかそんなお話しだった まったくね ただ辞めると決めた後にだって 決心したその先から 自分が次に何をどう思うかなんて まるで予測がつかないんだから
っていうかそれ以前に 他人に相談してるうちは どこかで決めかねている訳で ならどうして決めかねているのか その中身をまず 自分で徹底的に審査してみないうちは どう選択したとしても 決めたことにはならない気もする
今のしんどさがマックスまできていて それにどっぷり浸かって 苦しみ悩み 飽きるほどいろんなことを考えて ようやく決心できたとしたら それは辞めるという決心だろうが 残るという選択だろうが どちらでもいい
そういう状態になれたってだけで 少なくともこれまでとは 同じじゃないはず いちどフラットになって そこからまた歩み始めてみたら それだけで違うものが 見えてくるかもしれない
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