古物商の許可は 委託で古物をあずかって売る場合でも 必要なのが解った もちろん手持ちのものや 頂いたものを売る分には必要ない 申請してから許可が下りるまでは しばらく期間が掛かるということだった
お店がきちんとオープンするまでに 数日間でいいから イベント的なことをしたい できればその時 古い着物を預かって売れたらと思っていた なんとなく5月と考えていたけれど 宣伝の期間を考えると 許可が出てからではもう遅い
それ以上に きちんと期日を決めて予定を立てて それに向かって 自分の商品を製作したい気持ちが ふつふつと湧いてきた お店を始めても 委託の商品に頼っていては 恐らく食べていけないだろうし 今のペースではついいろんな事に紛れて 製作は二の次になってしまう
で とりあえず5月の下旬 手作り雑貨と 着物リメイクの展示販売を目標に 準備することとなった まだ詰めなきゃいけないことは沢山あるけど もうそれが決まっただけで 気分が全く違う
今作っているものも サイトに出すだけでなく 実際に手にとって見てもらうことができる 頑張ろう 今日いちにちは大切だけど 明日に繋がる道が見えることが こんなに嬉しいなんて
Sさんが お友達の軽トラでやってきた ざっと見てもらったが Sさんの好みに引っ掛かるものは なかったらしく この程度ならそこら中にあるぞ なんて言われた
そのそこら中がどこらなんだか 解らないわたしだし 骨董好きな本格派よりも もう少し若い世代の人たちに 受けるようなものがいいのだと とりあえず無理を言って 並べてもらった
レトロなガラスつきの小さい棚と 木のレリーフが素敵な本棚 商品展示用に使いたい大きな棚 そしてどうしても欲しかった いい感じに錆びた鉄の棚受けと 鴨居に打ち付けてあった フック付きの木の板などなど
その間 お店の話をあれこれ Sさんが集めた古物は 倉庫に入りきらないほどになっているそうで オレも店の経営に参加したい なんて言っていた いつも本業が忙しいようなので 随時委託で預からせてもらうからと約束
時間がなく 一度で運べるぶんを満載にして 全部とりあえずうちの土間へ いらない人にはゴミ 欲しい人には宝物が また一気に増えちゃった
たくさんの古い着物を見 絹の織り布でスカートを縫っていると やりたいことはいろいろあるけれど 間違いなくわたしを シアワセにしてくれるこのことに向かって もう一歩進んでみようと思えた
それで下のコと散歩がてら 古物商の認可について 詳しく聞こうと警察署へ出かけた 結局担当のひとが不在で 平日に再訪することになり そのあとあちこち歩いて 土筆やふきのとうや 自生しているからし菜や三つ葉を摘んだ
帰り道 いつもわたしが通ったことのない 狭い路地をムスコに案内され 使われなくなった古いタイルの 手洗い水槽や いい感じに古びた木箱やらが 無造作に道の脇に置いてあるのを見ては 断わってもらってきたい気持ちに駆られた
そうしていつもの道に戻ると なにやら重機で取り壊し中の家がある すぐ近所なのに いつから掛かっていたのか 既に半分は壊され 残っている奥のスペースに ちらりと古い家具が見えた
ムスコの 聞いてみればお母さん という言葉に押され 作業をしている人に声を掛けると どうせ全部捨ててしまうので 作業を休む明日のうちに 好きなのがあったら 持って行ってもいいとのこと
それから 夕方会う予定のKさんが Nさんを連れてやってきて 作業の終わった家の中をくまなく探索 いかにもレトロなガラス戸の棚や 大きな布団箪笥や 立てかけて使っていた小さな階段など もうどれも素敵なものばかり そのあと暗くなってからHさんも一緒に 今度は懐中電灯のあかりで見に行った
さあて期限は明日 みんなそれぞれ予定があって 明るいうちに集まれそうもない しかも運ぶには大きな車が必要だし 悩んだ末SさんにSOS 古物好きのキャリアは わたしなんかより遥かに長い大先輩 なにをどう持って来られるか解らないけれど 楽しみ楽しみ
Hさんの提案で 福井秀雄商店に着物を見に行った ついでに昨日から縫い始めた リメイクスカートの手織り生地が 綿だと思っていたのに アイロンを掛けた感じでは どうも絹が混じっている気がして 切れ端を持参して判断を仰いだ
結果はあっけなく 縦糸も横糸も絹と分かり 安心して着物を物色 いや本当は買うつもりはなかったけれど 昨日災害復興のフリマで 着物が出品されてなかったのが惜しく 製作が始まって着物気分が盛り上がり 見ちゃったらやばいなとは思った
もう少し欲しいと ネットで値段を調べたばかりの博多帯 よくある織りと色の他に 端っこから埋もれていた半幅を掘り出した これが目の覚めるような若草色で 柄も細かくてあまり見ないものだった 裂けがあってか300円という破格のお値段に 思わずスイッチが入ってしまった
それから 古い緞子の白い帯 花柄モスリンの襦袢 蚊絣の白木綿の浴衣 十字に織り糸が入った紺の木綿の着物 以上はシミがかなりあってお買い得 繻子の白い帯はほぼ完品で お値段もよく最後まで迷った
途中様子を見にやってきた秀雄さんに 選んだ品を披露すると 博多と思った帯は定かではなかったが 品を見て値段を見ては 首を傾げる様子に笑ってしまった わたしの目利きも 大分確かになってきたのだと思えた
久しぶりに溢れる程の着物を見て 掘り出し物ばかりを選んだつもりが そこからさらに値引きしてもらって シアワセいっぱい 帰りに寄ったシルク博物館では 古い生地の見本帳や 染め型で刷った柄見本にため息をつき 時間が飛ぶように過ぎた
帰ってから 買った品をしみじみ眺めていると 帯の端の内側に 博多帯の証紙がついていた
やっとハウルを観に行った 映画は色が素晴らしく 帽子屋の外壁やクラシックな内装 ずうっと空から見る 緑に囲まれたカラフルな建物群は おもちゃ箱が並んでいるみたいに美しい それはハウルの部屋にも似ていて 壊されないようにわざわざ 過剰に装飾されたようにも見える
その街を何が脅かしているのか ハウルがサリマンの何を恐れているのか その理由がどこかはっきりせず ちょっと物足りない印象があって ストーリー的にもまとまっていた 千尋の世界と比べると 見終わったあともやもやが残った
けれど ハウルが望んでいた自由を 例え囚われの身であろうが どんなに抜き差しならない関係にあろうが 外的な状況に左右されない 本当の魂の自由だったのだと想像すると そのもやもやは大切な鍵となることに気付いた
今同じようにそこに居ながら 真の自由を獲得するためには 自分で作り出している 自らを脅かすものに気付かねばならない 敵なんて本当はいない 争いは仮想の敵を作ることで起きる 守るべきものもこころひとつで かんじがらめの枷と変わるように 世界はわたし次第なのだ
どこにも属さず 自由に場所を変えられる城の中で 過剰な護符やお守りに囲まれても 自由を得られなかったハウル 自由を望みながら 知らずに作り出していた檻にも気付けず ひとりで格闘し漂流していた
彼の作り出している世界は 異質の価値観を持つソフィーとの出会いによって 大きく影響を受けて行く いばら姫は王子様のキスで 少女の眠りから覚めて大人へと変わったけれど 現代の寓話は 役割もジェンダーフリーなのだった
昨日今日とコウノピアの売り場 ディスプレイが数日の間に 大きく変わっていて そのお陰で気分も新鮮 最近ラッピングの準備が楽しくて 暇な時間もどんどん過ぎるのだけど 一層やる気に拍車が掛かった
縮緬で作った ぷっくりすずめみたいな こうのとりのお手玉 それを売るために ちょっとややこしい 八角形の折り箱を 綺麗な包装紙で作っている
雰囲気でやっつけるという わたしのいつものやり方では 仕上がりがいまいち美しくない バリエーションを広げるにも まず基本をきちんと会得してからだと 珍しく覚悟を決めて 地道に折り続けるこの頃
そうやって作った箱に お手玉をペアにして入れて 透明のPP袋で包んでリボンで留める 作って並べたそばからそれが売れて また折るのに忙しい 嬉しくてお手玉を納品に来た業者さんにも見せ 無理やりお褒めのコトバをいただいた
ギフトのこころの端っこに 自分を乗せている瞬間がとても楽しい ほんの小さなことだけど その楽しさがテコとなって もう少しの努力もできるようになる そうして努力したことは また楽しさを連れてくる
毎学期末にある中学校の面談 なんだかいつも 雨ばかりの記憶があって 今日も傘を差しながら 学校までの僅かな距離を 上のコとふたり とぼとぼと歩いた
体調を崩して 休むことが多かった3学期 少し暖かくなってきては上向き 寒さが戻るとまたお腹の調子が悪くなる 赤ちゃんの時のアトピーに始まって アレルギー性の中耳炎と喘息で 何度も医者通いをし やっと良くなったと思ったら今度はお腹
精神的なことが影響してるのか 友達との関係はどうか お母さんは原因をどう考えるか ひとしきり学校の先生や スクールカウンセラーと話しをした 今の家庭環境やこれまで育てた過程の中で なにかあるかと問われたけれど 挙げようとすればきりがなく 何も言えないままだった
その時々後悔ばかりで およそ親らしさに欠ける かつてほとんど鬱状態のなかで 自分自身を見つめたとき 嫌という程実感させられた こうあるべきという わたしの中の親像は 等身大のわたし自身からかけ離れていて だからこそ悩み迷いが深くなる
あれから何年も経って やっと自分なりの生き方の はじっこが見え始めたけれど まだ自分自身を生きている状態には遠い 何かを決めては すんなりと動くことができない 一緒に生活する子どもは そんなわたしをいつも見ている
3年生に進級を目前にして 卒業後の進路を提示した 少し前までは そんなことに頭が廻らないくらい ただ日々を潜り暮らしているようだったのに 確信に満ちた様子で 第三希望までをわたしに告げてきた
どうしてここを選んだのかと担任に問われ 好きだからと答えた 自分の好きなことをするために 彼が選んだ第一希望は はるかに走る雨雲のように遠くにある 先生が背にしている窓から 円山川の向こうに広がる景色を眺めていると みるみるうちに 小さなひとつの山だけに明るい陽が差した
そのすぐ傍から 濃く美しい虹が現れて やがて消えるのを黙って見ていた
2005年03月15日(火) |
天然石のアクセサリー |
申告は昨日済ませて すっきりさっぱり そのあと 新商品のために 貴石をいくつか買い込んだので 今日は試しにひとつ作ってみた
穴の開いていない 磨いただけの ローズクォーツや水晶 中には繊細にひびや曇りがあって 石そのままの味わいが残っている それにワイアーをくくりつけて ペンダントトップを作るのだ
手法そのものは とくべつ目新しくもないし 材料も以前ビーズにはまったときに買った 細いワイアーが残っているので とりあえず自分用に 試作するつもりでラフに巻きつけた
手掛かりのない つるんとした石からワイアーがはずれないように それでいて石のよさが損なわれないように なるべくシンプルに 出来上がりは思いのほか可愛くて ちょっぴり感動
寒い時期のフェルトと 春先からの着物リメイクと 布を触りたくない夏に つるんとひんやり輝く貴石 お店が始まったら お客さんを待ちながら製作できそうなものが 絞り込めてきた
子ども達ふたりだけでの 姫路行き計画 なんでも 今日から封切の映画を観ると 先着順にプレゼントがもらえるそうで この田舎で観られたとしても 数ヶ月後になるだろうからと 早くから予定していたのだった
いちどだけ 家族3人で行ったことがあるせいか 上のコは下のコを連れて行くのに みょうに自信たっぷりで 今朝は5時半に目覚ましをかけ 早くからひとりで冷凍ピザを焼いて食べ 近くのコンビニで 持って行く飲み物を購入してきていた
電車の時間は 一応7時を予定して 今朝の新聞に載る映画の時間を見て再調整 結局10時すぎからの2回目を観るにしても その時間でないと間に合わないと 判断したらしく 下のコとわたしも起こされた
みぞれの降るなか 駅まで自転車を走らせて 下のコは電車の中で食べるおやつを買い 大人料金は片道2000円近く 途中乗り換え2回 ゆうに二時間半はかかる ふたりのプチ旅行を見送った
豊岡を出発点とするお出かけは 未だに距離感が掴めない これが埼玉からだったら どの辺りまで行くことになるんだろう 都内だってせいぜい一時間だし さしずめ静岡とか 茨城の田舎の辺りかと思うと ちょっとびっくりする
飛行機でのふたり旅もそうだったように たぶん豊岡に来なかったら 実現しなかったろう移動距離 ときに わたしの予想をとびこえて 子ども達はどんどん成長してる
まだ本調子ではないものの いい加減やばいと 申告の準備をはじめた 領収書の整理も帳簿つけも 15年度のを見ながら いろいろ記憶をたぐり寄せつつ
でも なにが違うって 朝市の小商いが3月までってのが もう本当にうそみたいにらくちん しかも ひとつひとつの売りはすっとばし 一日分の手数料をまとめてなので 去年の苦労とは雲泥の差
現金出納帳はさくさくと終わり あとはネット販売の分と コウノピアの販売手数料 それから科目ごとに 出費をまとめて表を作る イメージするだけで なんかあっという間に済みそう
そんな中 以前帯を買ってくれた人から電話があって お母さんが刺し子をしているので その商品をネットで 売ってもらえないかとの打診 写真を撮ってアップの手間を考えると やたらに引き受けることもできず 実店舗の案内をするに留めた
わをん開業もいよいよ3年目 今年は絶対に儲けるぞ っていうか これからの一年で結果が出なかったら 廃業しようとすら思っている 子ども達の将来を考えても いつまでも親のわたしが 夢を見ている訳には行かない
やつらに夢を見させるために きちんと稼ぐことを目標にしなきゃ ともかく 申告が終わったら ばりばり製作だあ
久々の風邪はすごかった 火曜日ちょっと無理して売り場に出たら どんどん調子悪くなり 次の日熱は39度近くまで上がった 朝子ども達を 学校へ行かせるためにだけ起きては ひたすら寝てた
んで 熱は下がったけど なんだかその後の方が調子悪い 頭の中のどこかが 膿んでるみたいな感じ ご飯を作るために 立ち上がっているときがつらい 普段丈夫なわたしがこれだから 相当強力な菌なんだろう
早く復活して 申告しなきゃと思うけど まだしばらくかかりそう 帳簿も手付かずで 間に合うのかちょっと怖い
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