カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来
静かに過ぎるイブの夜 誰の時計も暖かく過ぎますように
静かに過ぎるイブの夜 わがままだった過ぎた日々許されて今
静かに過ぎるイブの夜 遠い日の窓辺のあかり赤や緑に
午前九時 子供の声は元気のシャワー 遠回りしてあびていこ
午前九時 子供の声が集まって 元気の球が街に響いて
午前九時 子供らの声は町中に 元気の素をふりまいて
午前九時 子供らの声が風に乗り 街中に元気降ってくる
残り柿 まだまだここにたくさんあるよ 美味しくないの知ってるの
今までの箱詰めされた悩みなど どうでもよくなる出会いがある
私の箱詰めした悩みなど川に流してやると強く思う
ごめんなさいこんな悩み 箱詰めにして今すぐ川に流します
こんな悩みどうでもいいと思える 一方的な出会いに感謝
周りを見れば響いたり 出会いはある一方的でもいいんだよ
一方的でも心に響くそれはたぶん出会いだよありがとう
2014年12月17日(水) |
ハンドクリイム 雨の日 |
すうっとココロしずまるの ハンドクリイムはちみつのニオイありがと
キイと鳴き雨を知らせる ヒヨドリよお前もどこかで濡れているのか
キイと鳴き雨を知らせる ヒヨドリに師走の飾り頭を垂れて
知らない誰かと雨の糸をくぐり 電波で言葉飛ばしあう午後
少しだけ空が白いのが救いだ まっすぐ続く雨降りの道
少しだけ空が白いのが救いだ たくさんのひと駅へ歩く道
たくさんのひとが駅へと歩く道 あの仔ひとりでないてるだろか
白い空 身を千切っては雨降らし 知らん顔して包んでくれる
君になど出来る訳ない 君は言うけど鏡を使い跳ね返す
とりどりのシャンプーボトル 浴室の片すみ ささやかな花が咲く
湯の中でなら 手を合わせ目を閉じて いのる真似するいのる真似する
歯ブラシをシュクシュク実は ワタシのなかの石垣に語りかけてる
湯の中で手合せ目を閉じ いのるつもりが 誰かに詫びているばかり
2014年12月15日(月) |
午後の陽射しから夕闇までの |
食事どき商店街はひっそりと 町内会の旗が揺れてる
午後三時ひと粒の闇は目を覚まし うす墨溶かし風に流して
午後の陽を集めてかがやく残り柿 ことりのつがいひととき至福
残り柿ひよどりさんのいない間に シジュウカラたちおなかいっぱい
チイチイとそこから遠くが 見えるかい オレンジに染まるシジュウカラ
片すみに生まれし闇が瞬いて うすむらさきのとばりとなりゆく
キオクたちはうすむらさきの帯となり 西へ西へと細く流れて
お湯の中ぐんと手足をのばしたら つま先からするり抜けてく一日が
パソコンの前で集めた言葉たち 道草のとちゅうふうと舞い飛ぶ
そう夜の空にも雲があんなにね ベランダで月と会話する
帰り道夜空に白いわたぐもが 昼間のままにあんなにたくさん
耳たぶにしいんと独りが染みてくる 扉がパタンと小さく鳴って
そんなこと気にしない人になりたい 気付かぬふりか出来れば笑顔
腹いせに 買った香油 ラベンダー ココロがすとんとくさはらに落ちた
おはようも言わずすり抜け 香油ぬり ココロでゴメンおはようと言う
深呼吸 かじがんだ手に 香油ぬり 遠いくさはらの水滴となる
あれこれと もどかしく並ぶ言葉たち 文字になるのを 拒んでいるよに
言葉たち ほら順番に ならびなさい てんでにオモイを 喋ってないで
ランドセル 水色桃色 気をつけて 山茶花の角 かけてゆく
北風が ひゅうと私を追い越した 商店街は ますます老いて
言葉たち 集めて並べてみるけれど 舌で溶けてく 吐き出す前に
あきらめの光が宿る目の人へ 心で何度も頭を下げる
病床の穏やかな瞳 語り出す ポツリポツリと過ぎし日のこと
カタカタ走るよ ランドセル
ピンクに水色
こげ茶にむらさき 小学生
どれだけ時計がまわっても
元気な声はかわらない
幾年月がながれても
小さな声でさざめきあって
北風に向かい 歩いてく
使い込んだ制服に
笑顔こぼれる 中学生
金色の午後の光に
輝くのは
無造作に結んだ
瑞々しくしなやかな 黒髪
みんなみんな
きらきらまぶしい
いのちの美しさ
いつまでも
いつまでも
太陽はお休み
灰色の日
街は 水滴を含み
ねむったまま
キイイとヒヨドリの
冬へ旅立つ合図に
止まった時が 動き出す
なにもかも 冷えてゆき
土の中で 手を取り合い
眠るものたち
灰色の季節
みなが孤独を思い出し
内側の井戸に 石を落とす日々
灰色に包まれて
時が 小鳥の胸毛が
しずかに身震いを している
natu
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