何億と群がる黒蟲目の中を駆け巡り脳へ
共に激痛を伴い身体を切り痛みを和らげる
道端に落ちているコンビニの袋頭部を半分覗かせ
瞑れた顔眼球垂れ下がり目が合う
吐気頭の割れる痛み自ら頭を割る衝動へ
急激な水分を要する薬と時眼球で足の踏み場も無い
意識が薄れていく瞬間
私はメモしておきたいことが沢山あった
けれど私は私を捕まえることができなかった
兎の目が無くなった マンホールのような黒い穴
その穴から沢山人が落ちてきた 人が人を殺しムシャムシャ人を食べていた
一人が燃え出し皆燃えた 灰になって消えてった
1時間ごとに目を覚ます
真っ黒い夢の中で 確かに何かが蠢いていて
それは私なのか それとも形無い物なのか
光に照らされ泡になり
蒸発しながら色味を帯び
変色しながら土へ潜る
左耳を削ぎ落とし ショーウインドウに飾った
耳の穴にコスモスの種を蒔き 芽が出る日を楽しみに待った
おやすみ
何度言っても眠れないよ
肩には触れないでね
殺してしまうから
飛べると信じ飛んだ日も
地面へ落ちていきました
噛まれ食われ腐りました
踏まれ潰れ殺されました
それでも生きる雑草を
私は尊敬しています
どこからも見ることができない景色を
ずっとずっと探しています
どれだけ叫べば聞こえますか
いつの日か私は許されますか
その時は抱きしめて言ってください
産まれて良かったのだと言ってください
空に落ちたいと願う日々
それは必ずしも死ではない
蠢く足
ビー玉の中
蟻が2匹
100個の太陽
広がる空色
冷たい風
暖かな灯
黒い涙
確かな吐息
歩行する境界
影と影と笑い声
私が歯を磨いていると 横で少女も歯を磨く
歯を磨く音が 1時間ほど右耳から離れない
少女は私に何もしない
ただ横に居るのだけど 私は時に恐怖を感じる
いつも見る少女の背は 何年経っても変わらない
私だけが大きくなって いつのまにか私の姿は見えなくなった
風化していく風景の中 赤いブランコと少女だけが
取り残されていく