カゼノトオリミチ
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母は聞いている
赤子が小さく泣いたなら
お腹がすいたのか
おしめを替えるのか
母の耳は休まない
雨降りの明け方にも
母は聞いている
ただいまも言わず
子供がバタンと閉めた
ドアの向こうで泣いてはいないか
夜更けの携帯の
小さな会話が
うふふと
かすかに聞こえたなら
母は安堵し目を閉じて
布団に顔をうめるでしょう
母は聞いている
いつだって
子供が遠く離れても
今日は晴れですか
ご飯は食べていますか
息づかいをきいている
母は聞いている
足音が聞こえる
歩いているのなら
それでいい
雲の向こうの
子らのしあわせねがいつつ
いつまでも
耳をすましている
natu
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