|
|
■■■
■■
■
お風呂につかりながら、アナイス・ニン『小鳥たち』(矢川澄子訳、新潮文庫、2006)を読む。
とても暑い日でした。 シーツのせいであたたかいし、ポーズもだらしない姿勢だったので、わたしはほんとに眠ってしまい、どのくらい経ったかもわかりません。 ともかくけだるくて、夢みたいでした。と、そのときわたしはだれかの柔らかい手が、両脚のあいだにあって、そうっとそうっと、かるくわたしを愛撫しているのに気づきました。目をさまして触られたことをたしかめました。レイノルズがわたしの上にのしかかっていましたが、その表情がいかにも穏やかでうれしそうだったので、わたしは動きませんでした。彼はやさしい目付きで口をなかばあけていました。そしてささやきました。 「撫でてるだけだよ、ちょっと撫でてる」(中略)
「わたしはまた、こんなふうに撫でておこしてもらえたらっていつも思っていたの」 (「モデル」より、上記本所収)
キャンドルの明かりで読むにはうってつけのエロティカ。 かなが多くてやわらかい表現になっていて、使われている日本語も素敵。 翻訳された方はエロティカを書いておられないのかしら。 わたしが知らないだけか知らん。 きっと素敵なエロスの世界が生まれたのだと思うのですけれど。 読みたかったな(どきどき)。
そういえば、バスチアン・バルタザール・ブックスも蝋燭の明かりのもとで本をひらいたのでしたっけ。今日は少年の冒険心じゃなくて、少女の好奇心の下でページをめくります(表紙が赤くて二匹の蛇がつながっている御本ではないのだけれど、この本だって少女心にとっては大きな冒険)。
此の13編の物語を読まれたら、どの物語が貴下のお好みなのか、ぜひ知りたく思います。
2006年03月29日(水)
|
|
|